平成26年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅱ 問題2解説
拍の長さ | 日本語では、平仮名1文字が1拍に相当します。ただし拗音は直前の音に結び付いて1拍となります。 |
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プロミネンス | 発話の中の特定の部分を他の部分よりも強調して言うことです。 |
アクセントの下がり目 | アクセントとは、個々の語について、習慣的に決まっている発音の相対的な高さや強さのことです。日本語は高低アクセントで、核(下がり目)のない平板式と、核のある起伏式に分けられます。 |
イントネーション | 抑揚のことです。疑問文の「~か?⤴」は上昇調、「そうですか⤵」の「か」は下降調です。 |
1番
「ちょっと⤴」や「お願いがあるんですが⤵」と、文末のイントネーションに問題があります。
したがって答えはbです。
2番
何を作るか聞いているので「タイ料理」を強調すべきですが、「いつも」が強調されています。プロミネンスに問題があります。
したがって答えはdです。
3番
「旅行」を「りょこ」と言い、拍の長さが短くなっています。また、「しますがー」と文末のイントネーションもおかしいです。
したがって答えはdです。
4番
「して」が「しって」になり、拍が増えています。また、「して⓪」というべきところを「して①」と言い、アクセントにも問題があります。
したがって答えはcです。
5番
「あけて⓪」が「あけて②」になっていて、アクセントに問題があります。
したがって答えはaです。
6番
「青い羽の②」も「青い②羽の⓪」もどちらもアクセントは正しいのですが、学習者は後者で発音しています。これは「羽の」を強調する言い方です。「どんな?」と聞いているので、特徴を表す「青い」を強調すべきです。
したがって答えはdです。
ディスカッション
コメント一覧
いつもありがとうございます。
6番の問題は、学習者の発音上問題がある箇所を教師が言い直すとあります。
青い羽の鳥は、明らかに教師がアクセントを言い直していると聞こえますが、答は、プロミネンスだけです。
アクセントは、各単語に固有でであって、プロミネンスによって影響しないと思うのですが答がaではないのはどう理解したらいいでしょうか?
>大福もちさん
コメントありがとうございます!
「青い」単体だとアクセント核は「お」の後で、「羽」単体だと「ね」が高くなります。しかし「青い羽の」を一つの語として読むなら核は「お」の後で、それ以降は低いままです。教師が言い直したものがそれです。
アクセントは各単語固有であることは間違いありません。
例えば「株式②」と「会社⓪」が合わさり「株式会社⑤」になるのは、「株式会社」が一つの単語になっているからです。
このようにアクセントにはこのように語を1つにまとめる統語機能があります。
この文は「青い」だけ取り出して強調する必要があるので、アクセントも分かれたのだと思います。