平成27年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題12解説

問1 マルチリンガリズム

 選択肢1
 自分の話し方を相手の話し方からできるだけ離していくことです。アコモデーション理論のやつですね。

 選択肢2
 ある社会において高変種と低変種の二つの言語変種が存在し、それぞれが場面や状況によって使い分けられている状態のことです。

 選択肢3
 4つ以上の言語を使用することです。

 選択肢4
 2か国の文化的習慣・価値観・行動などを身に付けていることです。

 ホントは3つの言語を併用する人をトリリンガルと言うんですけど、3言語以上でもマルチリンガルと言う人もいます。
 したがって答えは3です。

 

問2 公用語とそれ以外の言語

 1 公用語はヒンディー語、英語、その他19の地方公用語
 2 公用語は英語、マレー語、中国語、タミル語
 3 公用語はドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語
 4 公用語はフランス語のみ

 問題文では「公用語が1つあっても」と言っているので、公用語が1つしかないフランスが正解です。
 答えは4です。

 
 ちなみに、wikiにはフランスの公用語以外で使用されている言語について書かれていました。

現行の憲法第二条によると、1992年からフランス語はフランスの唯一の公用語である。ただし、オック語、ピカルディ語などの幾つものロマンス語系の地域言語が存在するほか、ブルターニュではケルト系のブルトン語(ブレイス語)、アルザスではドイツ語の一方言であるアルザス語、北部フランドル・フランセーズではオランダ語類縁のフランス・フラマン語、コルシカではコルシカ語、海外県や海外領土ではクレオール諸語など77の地域語が各地で話されている。
 - フランス – Wikipedia



問3 スティグマ

 選択肢1
 自分が他より劣っているという感情、劣等感のことです。

 選択肢2
 事前準備を意味するprestage、特別なものを意味するprestigeがあります。言語学関係の用語ではなさそうです。

 選択肢3
 社会的に差別されることになる要因のことです。

 選択肢4
 してはならないとされているもの、あるいは何をしてはならない、何をすべきであるという決まり事のことです。

 「差別」がヒントでスティグマに結びつきたいところ。
 したがって答えは3です。

 

問4 言語復活

 選択肢1
 調べても分かりませんでした。

 選択肢2
 多言語社会において、少数言語の話者数が増加することです。

 選択肢3
 多言語社会において、少数言語話者が少数言語と多数派言語を使い分け、意図的に維持し続けることです。

 選択肢4
 調べても分かりませんでした。

 したがって答えは2です。

 

問5 アイヌ語

 同化政策とは、国内の支配民族が少数民族の言語や文化、生活様式などを圧殺し、自国民に同化させようとする政策のことです。日本でも明治以来一貫して同化政策が行われ、植民地時代の朝鮮人に日本語や改名を強制、またアイヌ文化やアイヌ語の使用を制限していました。

 したがって答えは4です。




2022年9月23日平成27年度, 日本語教育能力検定試験