文法の問題かと思いきや・・・

 この問題[10]を見てください。N1の試験問題です。

 答えは4です。
 しかし、とある学生は3を選び、なぜ3なのかを質問してきました。

 わたしはてっきり、「~て形+しかるべきだ」の文法が理解できていないのかな?と思い、これについて説明したのですが、学生はどうも腑に落ちない様子。

 よくよく聞いてみると、彼女はとんでもないことを言い出しました。

 「しかるべきだの意味は分かります。だけど、努力した人を評価すると失礼じゃないですか?」

 呆気に取られるとはこのこと。文法の問題ではなく、彼女個人の考え方の問題だったわけです。つまり「努力している人を評価するなんてお前は何様のつもりだ。失礼だろう!」という考え方を持っており、結果的に3を選んだ。これに関しては日本語の範疇を越えた問題があります。「努力している人はちゃんと評価してあげなければいけないでしょ?」と、彼女にとって何の意味も成さない説明を繰り返すだけとなった私は、完全に方策を失いました。

 N1の問題は非常に高度です。日本人でも”どっちでも良い”と感じる選択肢は多くあり、学生から質問を受けた時に百発百中で正解を導き出すのは全く自信がありません。それでも試験問題ですから、「答えは4! 4は4!」と強く言わなければいけない。ああ、痒い所に手が届かない・・・。