【第60回】「~ために」と「~ように」の違い

日本語コラム

 目的・目標を表す副詞節に「~ために」と「~ように」がありますが、学生にもよく混同が見られます。
 特に「~ように」は、目的以外にも比喩や例示の用法もありますので使いにくいのでしょう。
 「~ように」を使うべき場面で「~ために」を多用するケースが多いので、用法をちゃんと身に付けたいところです。

ために

 「名詞+の+ために」と「辞書形+ために」の2種類の接続ができます。
 動詞を接続する場合はそのほとんどが辞書形で、ない形に接続するのは非常に稀です。
 ない形に接続したい場合は、後述する「~ように」を用います。

  (1) 明日のために早く寝る。
  (2) 答弁の矛盾を隠すために文書を偽装する。
  (3)✕忘れないためにメモしておく。
  (4)◯忘れないようにメモしておく。

 自分の意志で実現可能な動作を表す意志動詞に接続します。
 前件には目的や目標、後件にはそれを達成しようとする動作がきます。
 この時、前件と後件の主語は同一でなければいけません。
 また「に」は省略できます。省略するとやや硬いニュアンスになります。

  (5) 勝つためには手段を選ばない。
  (6) 勉強のとき集中するため、音楽を聴いている。

 

ように

 無意志動詞の場合は辞書形に、それ以外の場合は可能形やない形に接続します。
 無意志動詞とは自分の意志では実現不可能な動詞、「降る」「忘れる」「なる」「できる」などです。

  (7) お腹冷えないように気をつける。
  (8) みんなに聞こえるように大きい声で話してください。
  (9) 可愛くなれるように努力する。

 前件には目的や目標、後件にはそれを達成しようとする動作がきます。
 前件と後件の主語は同一である必要はありません。
 また「に」は省略できます。省略するとやや硬いニュアンスになります。

  (10) 皆様の支えに少しでもなれるよう頑張ります。
  (11) 忘れ物をしないよう注意してください。

 

まとめ

 意志動詞は「~ために」、無意志動詞は「~ように」
 動ない形に接続したいときは「~ように」を使う。
 「~ために」の前後の主語は一緒。「~ように」は一緒でなくてもいい。

 以上です。

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Posted by そうじ