【第43回】「もともと」と「そもそも」の違い

2018年4月28日日本語コラム

 「もともと」と「そもそも」は副詞として使うときに元来はじめからという意味を表します。
 「そもそも」には接続詞の用法もありますがここでは触れません。
 副詞としての2つの違いを考えます。

 

もともと

 意味は「元来」「はじめから」です。

  (1) もともとやる気はない。
  (2) 彼はもともと経済専攻だからこの分野には詳しい。
  (3) このペンはもともと私のものだ。

 「もともと」は以前の状態がそうであることを表すので、文末が過去形で終わる場合は今はそうではないことを表します

  (4) このペンはもともと私のものだった。
      (昔は私のもの、今は私のものじゃない)
  (5) ここはもともと旅館だったが、今は改装されてホテルになっている。
  (6) 私はもともとスポーツが好きではなかったんです。
      (昔は好きじゃないけど、今は好きみたいなニュアンス)
  (7) 彼女はもともと理系だった。
      (昔は理系だけど、今は理系じゃない)

 

そもそも

 意味は同じく「元来」「はじめから」ですが、「もともと」と使える場面がやや異なります。
 「そもそも」は叱ったり怒ったり、事実を突き詰めたり、非難する場面でよく使います。
 その程度は非常に強いものから軽く間違いを訂正する弱いものまであります。

 例えばこのような会話の時…

Aさん: 日本の仏教はもともと中国から伝わってきたんだよ。
Bさん: 実は中国の仏教はそもそもインドから伝わってきたんだ。
Aさん: そうだったんだ。

 Aさんは仏教は中国で生まれたものだと思っているのに対してBさんは間違いを指摘します。
 この時BさんはAさんの間違いを訂正する意図があって「そもそも」を使っていると思われます。

  (8) そもそもやる気はない。
       (もっとやる気を出せと言われたことに対する反論みたいな感じ)
  (9) このペンはそもそも私のものだ。
       (ペンの初期の所有者について喧嘩してる?)
  (10) 彼女はそもそも理系だ。
      (彼女を文系だと思って接する人がいる感じがする)

 このようなニュアンスがあるため、それらの関係性をより強調しているように聞こえます。

 

「もともと」と「そもそも」の違い

 意味自体は同じですから、原則としてお互い入れ替えることができます。

  (11) 私はもともとコーヒーを飲むのが好きだ。
  (12) 私はそもそもコーヒーを飲むのが好きだ。

  (13) アイディアというものはもともと知識がなければ生まれない。
  (14) アイディアというものはそもそも知識がなければ生まれない。

 「もともと」を使う場合は特に別の意図がありませんが、「そもそも」は事実誤認を訂正するニュアンスがあります。
 場合によっては語気が強まり過ぎて喧嘩腰になるので注意が必要です。

 

練習問題

 ちょっと練習してみましょう。

 練習問題
  問1 (    )あなたの考えは間違っている。
  問2 この本は(    )作者が日記として毎日書いていたものらしい。
  問3 (    )君が遅刻したからこんなことになってるんだ。
  問4 今回失敗してしまったのは(    )私たちの力不足が原因だ。
  問5 私は(    )大阪に住んでいた。

 怒っているような感じがあるときは「そもそも」がより良いですが、それが判断できないときはどちらでもいいです。
 実際は文脈によって使い分ける必要があります。

 
 答え
  問1 (そもそも)あなたの考えは間違っている。
  問2 この本は(もともと)作者が日記として毎日書いていたものらしい。
  問3 (そもそも)君が遅刻したからこんなことになってるんだ。
  問4 今回失敗してしまったのは(そもそも)私たちの力不足が原因だ。
  問5 私は(もともと)大阪に住んでいた。

 
 いろいろ参考にしてまとめてみました。
 もし間違いがあったら教えてください。

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Posted by そうじ