【第22回】「肉」と「身」

日本語コラム

 学生がよく魚の可食部を「肉」と表現しているところを見かけます。
 これもまた母語の転移ですが、日本語から見ると誤用です。

 ここではその「肉」と「身」の違いについて解説します。
 それぞれ全く違うものを指しますので注意をしてください。

 今回は食べ物の観点から述べますので、筋肉や脂肪などの話は除外します。

肉(にく)

 単に「」と言えば、牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉を指します。
 (日本では一部の地域を除き、羊肉はほとんど食べられません。)
 特別ではありますが、ワニ肉、ラクダ肉、蛇肉、ネズミ肉…という言葉もあります。
 日本人は基本的にこれらを食べませんので、使用頻度は低いでしょう。

 「この肉美味しい! なんの肉?
 このような話をする時は、まず間違いなく牛肉、豚肉、鶏肉…のいずれかです。
 魚肉という言葉もありますが、これと肉は会話上では明確に区別されます。

 

身(み)

 「身がぷりぷりしている
 「新鮮な身

 このような会話文はよく使われます。
 このが指すものは、そのほとんどが海産物です。
 魚、蟹、海老、貝、ウニなど…
 魚の肉、蟹の肉、海老の肉などという日本語は存在しません。全て「身」と言います。

 そのため刺身、赤身、白身は全て魚に対する言葉です。

 ※ただしイルカや鯨、サメは例外的で、「身」は使いません。
 イルカの肉、鯨の肉、サメの肉と言います。
 日本ではイルカの肉は通常食べません。

 

実(み)

 「み」繋がりでもう一つ話しますが、「」もあります。
 これは植物の種や果実を指します。
 例えば、椰子の実、林檎の実、桃の実などと使います。
 しかし通常会話では「この林檎おいしい」「この桃おいしい」と使われ、実際「~の実」と言われるケースはありません。

 
 
 調べればもっと詳しい違いがあるはずですが、この程度の違いを覚えておくだけでも会話では十分だと思います。

 「」は地上の動物
 「」は海の生き物
 「」は植物や果物

 こう覚えるといいと思います!
 

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Posted by そうじ