【第21回】「音」と「声」

 音と声。
 学生がよくこの2つを使い分けられないのを何度も見てきました。
 中国語ではこれら二つを「声音(sheng yin)」と表現しますから、母語による負の転移だと言えます。

 辞書の意味を見てみます。

音(おと)

 音の振動によって生じた音波を、聴覚器官が感じ取ったもの。また、音波。

 足音、雨音、風音、川音、靴音、羽音、物音など…

声(こえ)

 人や動物が発声器官を使って出す音。
 喉から口を通って出る音。

 猫の鳴き声、歌声、産声、大声、小声、叫び声、涙声、鼻声、話し声、呼び声、笑い声など…

 「声」は分かりやすく、人や動物が喉などを使って出すものです。
 一方「音」はそれ以外。何かの物体、あるいは物体同士が空気を振動させて出すものです。

 軽い練習問題を用意しました。回答は一番下です。

 【問1】彼は大きな ( 声 / 音 ) で叫んだ。
 【問2】風が吹きつける ( 声 / 音 ) がする。
 【問3】どこかでお金が落ちた ( 声 / 音 ) が聞こえた。
 【問4】遠くで犬が鳴いている ( 声 / 音 ) がする。
 【問5】雷が落ちる ( 声 / 音 ) は怖い。

 動物なら「声」、それ以外なら「音」。
 違い自体は単純明快ですね!

 ただし「声」の時はやや注意してください。

擬人化の用法

 ・風の声が聞こえる。
 ・天の声に従う。

 動物ではないものを擬人化して「声」と表現する。
 詩的な表現になりやすい。

人間とみなす用法

 ・幽霊の声がする。
 ・人形から声が聞こえる。

 神、AI、ロボットも同様です。
 発声器官はありませんが、実際は人とみなします。

 
 
 ではこのような場合はどうでしょうか?

 部屋の中にあなたとあなたの友人がいます。
 友人は一人でパソコンしていて、誰かと通話しています。
 あなたはうるさくて仕方ありません。注意をしましょう。

  がうるさい! もっと静かにしてよ
  がうるさい! もっと静かにしてよ

 どちらでしょう?
 
 「声」と言えば、友人とその相手の声量を指します。
 「音」と言えば、パソコン自体の音量を指します。
 通常この場合は、「声がうるさい」という方が自然でしょう。
 通話ではなくゲームをしていれば、ゲームの「音」がうるさいので「音がうるさい」と言えます。

 分かりましたか?
 よく間違える方、ぜひ注意して使ってみてください!

 
 
 答え合わせ
 【問1】彼は大きなで叫んだ。
 【問2】風が吹きつけるがする。
 【問3】どこかでお金が落ちたが聞こえた。
 【問4】遠くで犬が鳴いているがする。
 【問5】雷が落ちるは怖い。

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