【第14回】「ながら」と「まま」

 先日このブログを見て頂いている方から直接質問を受けましたので、ここでもお答えします。

“立ちながら食べる”という日本語は正しいですか?

 結論を言いますと正しくはないですが間違いとも言えない(微妙)。このように使う日本人も実際います。
 しかしこの問題を詳しく話すには、「ながら」と「まま」の違いについて触れなければいけません。
 ということで少しその話をしたいと思います。

 
 まず、動詞を分類する手段の一つに瞬間動詞があります。これは瞬間的に行われる動作のことを指し、その動作が行われた後もその状態が続きます。
 開ける、立つ、座る、死ぬ、始まる、終わる、触る、(電気を)つける等…

 「ながら」にはこういった瞬間動詞は原則接続できません。
 「ながら」はその動作が行われている間に何か別の動作が発生することを表しますので、この部分が瞬間動詞の性質と合わないからです。
 「死にながら動かない」が変だと感じるのはそのためです。

 このような場合は「まま」を使います。「まま」は瞬間動詞にしか接続できない文法です。動作が繰り返されるのではなく、状態が継続しているという性質を持ち、これが瞬間動詞と合います。
 実際は「死んだまま動かない」が正しい言い方です。

  

ながら

 動ます形に接続して、なんらかの動作中に別の動作をすることを表す。
 瞬間動詞には接続できない。

 ✕ 電気をつけながら外出する。
 〇 テレビを見ながらパソコンする。
 〇 携帯しながらトイレする。

 

まま

 動た形に接続して、その状態が継続している様子を表す。
 瞬間動詞に接続する。

 ✕ 食べたまま話す。
 〇 電気をつけたまま外出する。
 〇 触ったまま離さない。

 
 

 最初の質問に戻ります。
 「立ちながら食べる

 上記の通り「立つ」は瞬間動詞ですから、通常は「まま」に接続します(あるいは「立って食べる」)。これが「正しくない」とする根拠です。

 しかし「立つ」「座る」「寝る」などの一部の瞬間動詞では「ながら」に接続しても許容されてきている側面があり、これが「間違いでもない(微妙)」とする根拠となります。
 立ちながら食べる、座りながら話す、寝ながら食べる…
 ※この場合の「寝る(横たわる)」は瞬間動詞と思われる。

 日本語学習者としては、瞬間動詞は「まま」、それ以外は「ながら」と覚えておきましょう。

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