【第7回】「お疲れ様」と「ご苦労様」

2017年11月10日日本語コラム

 昨日3年生のある人が授業の終わりに先生へ「お疲れ様でした」と言ってしまい、その場で強く注意を受ける事件があったそうです。学生から教師へ言うと大変失礼なこの言葉。お互いの立場によって使える時と使えない時があります。

 このような話の時にはよく「お疲れ様」と「ご苦労様」の違いが取り上げられます。日本人と仕事するのであれば、この違いはちゃんと抑えておさなければいけません。ここに各々の使い方をまとめておきます。

お疲れ様

 古くは目下から目上へ使ってはいけないとされていましたが、現代社会では目上から目下へはもちろん、目下から目上へも使える言葉になっています。仕事が終わって帰る時に「お疲れ様でした」というのはごく自然な表現です。

 ただし、身内にしか使わず、外部の人、例えば取引先や顧客には使いません。

 

ご苦労様

 目上から目下へ使う言葉です。そもそも日本の社会において目上の人に対して労ったり、評価したりする行為は失礼とされています。この言葉には「疲れたでしょう。頑張りましたね。」といった意味が含まれますので、目下から目上では使うべきではありません。

 部下の仕事を頑張っている様子に対して上司が「ご苦労様」と言うのは問題ありませんが、上司の頑張りに対して部下が「ご苦労様」と言うのは失礼です。ではどう言うべきかというと、通常何も言われない場合が多いと思います。どうしても何か言いたいというのであれば、上司に缶コーヒーを差し入れして「お疲れ様です」くらいにしてください。

 

ありがとうございます

 授業における終わりの挨拶には「ありがとうございました」というのが一般的です。
 そもそも教師と学生は同じ立場ではありません。教師は仕事ですが、学生は仕事ではありません。したがって学生から「お疲れ様」「ご苦労様」というのは大変失礼な発言になります。逆に先生から言うのは問題ありません。

 

備考

 「ご苦労様」「ありがとうございます」には相手に対する感謝の気持ちがあります。たとえば自宅まで荷物を運んでくれた配達員の方に対して「ありがとうございました」「ご苦労様です」と言ったりします。この時は上下関係ではなく、単なる感謝です。

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Posted by そうじ