2019年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題9解説

問1 メンタル・ヘルス

 選択肢1
 高齢者はもとより、思春期は多感な時期なので、移住による影響は大きく現地に適応しにくいと思います。

 選択肢2
 ここでいう”精神的な危機”はカルチャーショック期を指していると思いますが、カルチャーショック期はそもそも人によって異なります。一般に移住後数週間から数ヶ月以降に移住先の文化に不満を持ち始め、心身に不調を来しやすくなります。3か月後から18か月後は徐々に移住先の文化を肯定し始め、12か月前後になると適応してきているのではないでしょうか。

 選択肢3
 正しいです。同じ文化のコミュニティに頻繁に接触すると、他国に居ながら自国の文化に触れることができるため、移住先の文化に適応しにくくなります。

 選択肢4
 例えば、移住先の言語を学んでから渡航する人とそうでない人では、やはり学んでいった人のほうが適応しやすいのは間違いないと思います。準備する人のほうが挫折しにくいはずです。

 したがって答えは3です。

 

問2 最も高次の欲求

 マズローの欲求5段階説とは、マズロー (A.H.Maslow)によって提唱された、人間の欲求を5段階に理論化したもののこと。最も下位のものから生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求に分けられ、人間は下位の欲求が満たされることで高次の欲求を満たそうとするとされる。(マズローの欲求5段階説は23年度以降初めて出題された用語です。)

 したがって答えは4です。

 

問3 合理化

 1 理由をつけて自分で納得していますので、合理化です。
 2 ”逃避”は合理化にあたりません。
 3 不満を発散しているように見えます。
 4 ???

 したがって答えは1です。

 防衛機能については「防衛機制 – Wikipedia」にまとめられています。各選択肢が何を指すかはこちらを参考にしてください。私も勉強してみます。

 なお、合理化については過去に「平成25年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題10 問4」でも出題されています。

 

問4 留学生のメンタル・ヘルス

 1 薬をもらったらよりも、生活習慣についてまず聞くべきではないでしょうか。
 2 異常だと自覚させるのは誤りです。
 3 正しいです。
 4 まずは本人や周囲の人に聞いてみるべきです。

 したがって答えは3です。

 

問5 異文化間カウンセリング

 1 相談者の体験を一般的な事象として扱うのではなく、個別に特別に扱うべきではないでしょうか。
 2 カウンセリングは共感的に話を聞くべきです。
 3 相談者の非言語的な部分にも注意すべきです。
 4 正しいです。カウンセラーは客観的な立場で対応するべきです。

 したがって答えは4です。

 





2019年度, 日本語教育能力検定試験 解説