2019年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題13解説

問1 コミュニカティブ・コンピテンス

 コミュニケーション能力/コミュニカティブ・コンピテンス (communicative competence)とは、コミュニケーションを行うための能力のこと。伝達能力ともいう。

談話能力 言語を理解し、構成する能力。会話の始め方、その順序、終わり方などのこと。
方略能力
(ストラテジー能力)
コミュニケーションを円滑に行うための能力。相手の言ったことが分からなかったとき、自分の言ったことがうまく伝わらなかったときの対応の仕方のことで、ジェスチャー、言い換えなどがあてはまる。
社会言語能力
(社会言語学的能力)
場面や状況に応じて適切な表現を使用できる能力。
文法能力 語、文法、音声、表記などを正確に使用できる能力。

 したがって答えは2です。

 

問2 詩的 (poetic) 機能

 ヤコブソン (R.Jakobson)が提唱した言葉の6つの機能は以下です。

情動的機能 感嘆詞や間投詞などの相手に気持ちを伝えようとする機能。
詩的機能 言語の具体的な内容よりも、言語そのものを使って遊べる機能。俳句、リズム、音の響きなど。
能動的機能 話し手の発話によって相手を動かす機能。命令、依頼、禁止、要請など。
交話的機能 他者との関係性を構築したり維持したりする機能。挨拶、相槌、会話など。
指示的機能 出来事や事象をそのまま描写する機能。「向こうに山が見える」など。
メタ言語的機能 ある言葉が、他の言葉によって説明でき、言い換えられる機能。

 俳句、ラップなどの言葉遊びが詩的機能にあたります。根拠は示せませんが、「しゃれ」と「早口言葉」はそれらと同類だと思います。そして残りの「しり取り」と「独り言」で悩みました。

 私は初め「独り言」を選び、試験終了直前に「しり取り」に変えました。理由は何となくです…
 みなさんの意見を教えていただければと思います。

 

問3 交渉会話

 交渉会話とは、会話の分類の一つで、情報のやりとりを通して何か具体的な物事の処理を行う会話のこと。尾崎 (1996)の用語。
 交流会話とは、会話の分類の一つで、日常で行われる雑談など、話の内容よりも会話を通じた人間関係の維持に重点がある会話のこと。尾崎 (1996)の用語。

 (交渉会話、交流会話は23年度以降初めて出題された用語です。)

 1 交渉会話:情報のやり取りを通じてどの映画であるか特定しようとしています。
 2 交流会話
 3 交流会話
 4 交流会話

 したがって答えは1です。

 

問4 スピーチレベルシフト

 スピーチレベルシフト/スピーチスタイルシフトとは、1つの場面で1人の話者が普通体から丁寧体、あるいは丁寧体から普通体へと切り替えて丁寧さの度合いを変化させること。

 選択肢1
 「A:何してんの?」「B:勉強」「A:明日試験だっけ?」「B:そうですが何か?」のように、普通体が用いられていた関係で突然丁寧体を用いるとき、相手に対する怒りを表すことがあります。

 選択肢2
 強く共感している場合は普通体を維持しやすいはずです。

 選択肢3
 会話の堅苦しさを和らげるのは普通体の効果です。

 選択肢4
 自身に向けられた発話は普通体であることが多いです。

 したがって答えは1です。

 

問5 フィラー

 フィラー (filler)とは、「あのう」「そのう」「えっと」などの言い淀み、言葉を探しているときに発せられる言葉のこと。

 1 聞き手に発話の機会を与えることはできますが、フィラー自体に発話の意味を婉曲的に表現する効果はありません。
 2 プロミネンスについての記述です。
 3 フィラーの効果についての記述です。
 4 相槌についての記述です。

 したがって答えは3です。

 





2019年度, 日本語教育能力検定試験 解説