2019年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題5解説

問1 技能シラバス

 シラバスとは、教師が学生に示す講義・授業の授業計画のこと。目的毎にいくつかの種類に分けられる。

構造シラバス 言語の構造や文型に焦点を当てて構成されたシラバス。オーディオリンガルアプローチやサイレントウェイで用いられる。
機能シラバス 依頼する、慰める、同意する、拒否する、提案するなどの言語の持つ機能に焦点を当てて構成されたシラバス。
場面シラバス 「レストランで注文する」や「スーパーで買い物をする」などの使用場面に焦点を当てて構成されたシラバス。
トピックシラバス
話題シラバス
ニーズ分析などを踏まえ、学習者の興味がある内容や実社会で話題になっている話題を中心に構成されたシラバス。
スキルシラバス
技能シラバス
言語の四技能(読/書/話/聞)の中から、学習者に必要な技能に焦点を当てて構成されたシラバス。
タスクシラバス
課題シラバス
言語を使って何らかの目的を遂行することに焦点を当てて構成されたシラバス。ロールプレイなどがこれにあたる。
概念・機能シラバス 機能シラバスと実際のコミュニケーションの場面を組み合わせて構成されたシラバス。依頼する、慰める、同意する、拒否する、提案するなどの言語の持つ機能を用い、実際にコミュニケーションが行われる場面で目標を達成するような活動を進めていく。

 1 技能シラバス(”書く”を中心とした)
 2 場面シラバス
 3 機能シラバス
 4 話題シラバス

 したがって答えは1です。

 

問2 時世の影響を受けにくい要素

 1 読み物のトピック
 読み物のトピックをニュースの記事などで想定すると、この中で最も時世の影響を受けやすいと思われます。特に政治・経済に関するトピックはたった1日でも変わり得ます。

 2 会話の場面
 会話の場面はこの中で最も時世の影響を受けにくい要素です。

 3 文法
 ら抜き言葉や「全然~肯定表現」など十数年から数十年単位で変化しています。この中では3番目に時世の影響を受けにくいと思われます。

 4 語彙
 毎年多くの新語、流行語が生まれたりしますので、この中では読み物のトピックに次いで2番目に時世の影響を受けやすいと思われます。

 したがって答えは2です。

 

問3 初級のモデル会話

 1 初級のモデル会話なので、初級のレベルを意識すべきです。
 2 正しいです。「◯◯が欲しいです」のように、一部言い換えられるような表現は初級で重宝されます。
 3 レベルが合わない部分や冗長な部分は、レベルに合わせて調整すべきです。
 4 モデル会話における話の内容や展開は不自然であってはいけません。

 したがって答えは2です。

 

問4 中級の聴解教材

 1 正しいです。
 2 正しいです。
 3 正しいです。
 4 モダリティ表現などが中級で学ぶべき項目なので、避ける必要はありません。

 したがって答えは4です。

 

問5 真正性

 真正性 (authenticity)とは、その教材が実際の言語使用状況をどれだけ反映しているかの度合いのこと。

 1 スーパーのちらしを見るなら、何が売っていてどんな値段なのかに着目したほうがいいと思います。文字種に着目するのは真正性が低いです。
 2 真正性が保たれています。食品表示はまさに賞味期限などを見るためにあるものです。
 3 駅のアナウンスは乗客に対する案内のためにあるものなので、敬語表現に気づかせる活動は真正性が低いです。
 4 折り紙の本を用いているのに、折り紙をさせていないので真正性は低いです。

 したがって答えは2です。





2019年度, 日本語教育能力検定試験 解説