2019年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題3B解説

 2019年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題3B
 B【オノマトペ(擬音語・擬態語)】

(6)言語記号の恣意性

 1 言語記号の蓋然性
 調べても見つかりませんでした。

 2 言語記号の恣意性
 言語の文字や音声(シニフィアン)が、それが指し示す意味内容(シニフィエ)との間に必然的な繋がりがないこと。例えば、赤くて丸い果物を「りんご」と書いたり、[riŋŋo]と呼んでいるのは、昔からそのように呼んでいるからに過ぎない。日本語では[riŋŋo]と発音するものの、別の言語では別の呼び方をされているのはこのためだとされる。
 参考:言語の特徴と言語の類型について - 言語の恣意性

 3 言語記号の経済性
 どの言語も有限の音素の組み合わせから無限ともいえる形態素を作り出すことができ、それが無限にある現象を文として産出することができるという言語の二重分節性の過程において、言語記号にはその使用の負担を軽減したりするような働きがあるというもの。例えば、「りんご」を「赤くて丸い果物」と表現するのは前者の方が短くて済み、さくらんぼ等との混同も回避できる。多くの略語が生まれた理由や、ら抜き言葉などの時代に伴う言葉の変化も言語記号の経済性から説明することができる。フランスの言語学者マルティネ (Andre Martinet)によって提唱された。

 4 言語記号の構成性
 調べても見つかりませんでした。

 したがって答えは2です。

 

(7)日本語のオノマトペの特徴

 「くるくる」と「ぐるぐる」、「ころころ」と「ごろごろ」等に見られるように、清音のほうは比較的軽めのものを、濁音のほうは重めのものを表します。

 したがって答えは1です。

 

(8)擬態語

分類 説明
擬態語 人や動物、自然界の状態や動き、音を文字で表現した語(オノマトペ)のうち、実際には聞こえない、物や人の状態や感情を文字で表現したもの。
擬音語 人や動物、自然界の状態や動き、音を文字で表現した語(オノマトペ)のうち、実際に聞こえる音を文字で表現したもの。
擬声語 実際に聞こえる音を文字で表現した擬音語のうち、擬音語のうち、人や動物の声を表したもの。

 1 おそらく擬音語
 2 ※畳語
 3 聞こえないものを表しているので擬態語
 4 実際に聞こえるので擬音語

 天沼寧『擬音語・擬態語時点』(東京堂出版 1974年)によると、「しぶしぶ(渋い)」は名詞・副詞・動詞の連用形、形容詞の語幹、その他の品詞の語の一部などを重ねて畳語にしたものであり、オノマトペではないようです。それ以外にも「あかあか(赤い)」「いきいき(?)」「うすうす(薄い)」「しぶしぶ(渋い)」などがあると述べられています。
 参考:オノマトペに見る漢語の影響 : 和語系オノマトペと漢語系オノマトペの関わり

 したがって答えは3です。

 

(9)擬音語と擬態語

 選択肢1
 「草むらからがさがさと音がする」の「がさがさ」は実際に聞こえる音を表しているので擬音語、「足の裏ががさがさになる」の「がさがさ」は状態を表しているので擬態語です。また、「蜃気楼がゆらゆらと揺れている」のように「と」を使っても擬態語を表す用法もあるので、「と」だから擬音語、「に」だから擬態語とは言えません。オノマトペの後接成分が「と」なら擬音語も擬態語もありえますが、「に」の場合は擬態語しかないと思われます。

 選択肢2
 ここでいうゼロ形態 (zero morpheme)とは言語学の用語で、意味はあるが形式がない形態を指します。ギリシャ文字の「Φ(ファイ)」で表記します。例えば、「歌聞く」では本来あるべきヲ格が省略されており発音はされません。しかし、ヲ格があっても無くても意味は変わらないため、言語学では「歌 Φ 聞く」というように、”ゼロ格がある”と考えます。「びりびり破く」と「びりびりと破く」は意味が同じなので、ここにもゼロ形態があると見なせます。
 「ゆらゆら揺れる」「びりびり破く」のように、ゼロ形態だとしても擬音語、擬態語を表すことができますし、「がさがさと音がする」のように、「と」がついても擬音語を表せます。この選択肢は誤りです。

 選択肢3
 動作の様子を修飾する擬態語・擬音語の用法では「と」が使用されます。
 また、「ぎゃあぎゃあ」は主に子供は大声で泣く時に用いられる擬音語(擬声語)であり、擬態語ではありません。

 選択肢4
 正しいです。動作の結果の状態を表す擬態語の用法では「に」が使用されます。「かちんかちん」は物の硬さを表す擬態語で、「かちんかちんに凍る」のように結果を修飾する場合は「に」が必要です。

 したがって答えは4です。

 

(10)接尾辞

 選択肢1
 接尾辞「つく」は擬態語・擬音語について、その状態になってくる様子を表します。まごつく、いらつく、いちゃつく、うろつく、ぐらつく、ざわつく、べたつく、むかつく、もたつく、よろつく等、たくさんあります。

 選択肢2
 接尾辞「めく」は特定の名詞について、「~のような感じがする」という意味を表します。春めく、謎めく等…
 参考:【N1文法】~めく/めいて/めいた

 選択肢3
 接尾辞「なる」は存在しません。

 選択肢4
 接尾辞「張る(ばる)」は、その様子が通常の程度を超えていることを表します。角ばる、格式張る等…

 したがって答えは3です。

 





2019年度, 日本語教育能力検定試験 解説