日本語の品詞について

目次

 

品詞 (parts of speech)

★★★ 動詞

動作や状態を表し、主語や目的語を項として取る語のこと。
詳しくは「動詞の分類について」を参照。

★★★ 動詞の活用形

活用形 五段動詞 一段動詞 カ変動詞 サ変動詞
辞書形 書く 食べる 来る する
た形 書いた 食べた 来た した
ない形 書かない 食べない 来ない しない
なかった形 書かなかった 食べなかった 来なかった しなかった
ます形 書きます 食べます 来ます します
て形 書いて 食べて 来て して
ている形 書いている 食べている 来ている している
ば形 書けば 食べれば 来れば すれば
意向形 書こう 食べよう 来よう しよう
可能形 書ける 食べられる 来られる できる
使役形 書かせる 食べさせる 来させる させる
使役短縮形 書かす
受身形/尊敬形 書かれる 食べられる 来られる される
使役受身形 書かせられる 食べさせられる 来させられる させられる
使役受身短縮形 書かされる
命令形 書け 食べろ 来い しろ
禁止形 書くな 食べるな 来るな するな

受身形の詳細については「日本語の受身文の種類」を参照。

★★☆ 可能表現

能力可能 「私は英語が話せます。」などの能力によるもの。
状況可能 「準備が終わったら迎えに行けるよ。」など、状況によって可能/不可能となるもの。
動作対象の性質による可能 「柔らかいなら簡単に壊せるよ。」など、対象の性質によって可能あるいは不可能となるもの。

★★☆ ら抜き言葉

一段動詞可能形「~られる」の「ら」が省略された言葉のこと。「食べられる」が「食べれる」のようになる。「~られる」には可能形の他に、受身形や尊敬語としての用法があり、これらを差別化するためにら抜き言葉が生じたとされる。通常は日本語の揺れとして規範主義の立場からは誤用とみなされるが、全国的に見ると「ら」を入れるほうが少数派となっている。

★★☆ さ入れ言葉

一段動詞可能形「~られる」の「ら」が省略された言葉のこと。「食べられる」が「食べれる」のようになる。「~られる」には可能形の他に、受身形や尊敬語としての用法があり、これらを差別化するためにら抜き言葉が生じたとされる。通常は日本語の揺れとして規範主義の立場からは誤用とみなされるが、全国的に見ると「ら」を入れるほうが少数派となっている。

★★★ イ形容詞/形容詞

人や物の性質や状態を表す語のことで、名詞を修飾するときに「~い」の形をとる語を指す。日本語教育における”イ形容詞”は、学校文法では”形容詞”と呼ばれるが、日本語教育での”形容詞”はイ形容詞とナ形容詞を総称したものを指す。

★☆☆ 補助形容詞

他の語の後に続いてその意味を限定する働きをする語のこと。例えば、「高くない」「綺麗ではない」の「ない」がこれにあたり、「高い」「綺麗」という状態を否定する働きを持つ。一方、「食べたくない」のように動詞につく「ない」は補助形容詞ではなく助動詞で、品詞が異なる。補助形容詞には、「食べてほしい」のような「ほしい」も含まれる。

★★★ ナ形容詞/形容動詞

人や物の性質や状態を表す語のことで、名詞を修飾するときに「~な」の形をとる語を指す。日本語教育における”ナ形容詞”は、学校文法では”形容動詞”と呼ばれる。

★☆☆ 属性形容詞

物の性質や状態を表すイ形容詞、ナ形容詞のこと。「大きい」「重い」「明るい」「静か」など。

★☆☆ 感情・感覚形容詞

人の主観的な感情や感覚を表すイ形容詞、ナ形容詞のこと。「悲しい」「怖い」「痛い」「不安」「得意」など。主観的な感情や感覚を表す性質上、主語は一人称のときしか使うことができない制約がある。

★★★ 名詞

★★★ 普通名詞/実質名詞

名詞のうち、それだけで実質的な意味を持つ一般的な名称のこと。猫、犬、手、足などの多くの名詞を始め、「私が知りたいのは、彼が来なかったわけだ」の「わけ」なども”理由”や”原因”に言い換えることができるためこれに分類される。

★★★ 固有名詞

名詞のうち、人名や地名などの個別のものに1つずつ名付けられる名称のこと。

★★★ 形式名詞

名詞のうち、それだけでは実質的な意味がないか、あるいは元々の意味が薄くなっている名詞のこと。例えば「早く起きることができない」の「こと」が挙げられる。節を名詞化する機能しかない。

☆☆☆ 有情名詞

感情を持ち、自ら行動することができるものを表す名詞のこと。「いる」で表される。

☆☆☆ 無情名詞

感情を持たず、自ら行動することができないものを表す名詞のこと。「ある」で表される。

★☆☆ 文法化

動詞や名詞の実質的な意味が失われ、機能的な表現へと変化すること。例えば、「”資本論”という本」の「いう」は、元々の「言う」の意味が失われ、文法的な機能を持つようになっている。形式名詞の「こと」「もの」「わけ」なども文法化によって実質的な意味が失われた。

★★★ 代名詞

名詞や名詞句の代わりに用いられる語のこと。人称代名詞と指示代名詞に分けられる。「これ」「それ」「あれ」「あなた」…

★★☆ 人称代名詞

名詞や名詞句の代わりに用いられる代名詞のうち、談話の中で人を指し示す語のこと。話し手を指すものを一人称代名詞、受け手を指すものを二人称代名詞、それ以外の人を指すものを三人称代名詞と呼ぶ。「私」「僕」「あなた」「君」「彼」「彼女」「彼ら」…

★★☆ 指示代名詞

名詞や名詞句の代わりに用いられる代名詞のうち、談話の中で物事や場所、方角を指し示す語のこと。「これ」「それ」「あれ」「どれ」「ここ」「そこ」「あそこ」「どこ」…

☆☆☆ 数詞

数を表す語のこと。「ひとつ」「ふたつ」「みっつ」「いち」「に」「さん」など…

★★★ 副詞

単独で活用はせず、動詞、形容詞、形容動詞などの用言を修飾する語のこと。様態副詞、程度副詞、陳述副詞に分けられる。

様態副詞/情態副詞 動詞を修飾し、その動作がどのように起こったかを表すもの。擬態語、擬音語、擬声語、一部の畳語もこれに含まれる。そのうち、動きの量や人の量などを表す副詞を量副詞と分類することもある。
陳述副詞 述語の陳述に呼応して用いられるもの。また、話し手の伝達的態度や事態に対する認識、評価を表すもの。必ず、もし、たとえ、たぶん、なぜ…
程度副詞 形容詞などの状態性の語を修飾してその程度を表すもの。たいへん、とても、すごく…

★★☆ 副詞の呼応

肯定 きっと(~だ)…
否定 決して(~ない)、必ずしも(~とは限らない)、たいして(~ない)、ちっとも(~ない)、ろくに(~ない)、めったに(~ない)、全然(~ない)、到底(~ない)、いまだ(~ない)…
推量 きっと(~だろう)、おそらく(~だろう)、たぶん(~かもしれない/だろう)、さぞ~(だろう)…
否定推量 まさか(~ないだろう)、よもや(~あるまい)…
疑問 なぜ(~か)、どうして(~か)、はたして(~か)、いったい(~か)…
依頼・願望 どうぞ(~ください)、どうか(~ください)、ぜひ(~ほしい)
仮定 もし(~なら)、万一(~でも)、仮に(~でも)、たとえ(~でも)、いくら(~でも)、あたかも(~のごとく)…
比況 まるで(~ようだ)、さも(~よう)、あたかも(~よう)…
禁止 決して(~な)

★☆☆ 連体詞

それ自体に活用はなく、必ず体言を修飾して説明する語のこと。現代で一般的に用いられる連体詞は語末が「た/な/が/の/る」で終わる。

連体詞の種類
「~た」型 たいした、とんだ、ふとした、たいそれた、れっきとした…
「~な」型 大きな、小さな、おかしな、いろんな、ひょんな、あじな、ろくな…
「~が」型 わが、われらが…
「~の」型 この、その、あの、どの、例の、かの、くだんの、ほんの、当の…
「~る」型 ある、あらゆる、いわゆる、かかる、いかなる、さる、とある、きたる、あくる、なんたる、さしたる、確たる、最たる、主たる、名だたる、単なる…

★☆☆ 接続詞

品詞の一つで、言葉と言葉の関係性を示す役割を担う語のこと。「しかし」「ところが」「そして」など…

☆☆☆ 感動詞/感嘆詞

感動、応答、呼び掛け、挨拶などを表す語のこと。「ああ」「まあ」「ねえ」「ちょっと」「もしもし」「うん」「はい」「いいえ」「おはよう」…

★★★ 助動詞

品詞の一つで、テンス、アスペクト、ヴォイス、ムードなどの文法機能を表すもののこと。「れる/られる」「せる/させる」「ない」「よう」「たい」「そうだ」「らしい」「~ようだ」など…

★★★ 助詞

品詞の一つで、単語についてそれらの関係性を示したり、対象を表したりする語のこと。

★★★ 格助詞

詳しくは「格助詞の用法一覧」を参照。

☆☆☆ 主格保持の原則

「『文』は少なくとも一つの主格名詞節を含んでいなければならない。」という原則のこと。

☆☆☆ 強い格

ガ格とヲ格のこと。省略しやすく、これらが伴う要素を格助詞「の」に接続できず、また取り立て助詞で取り立てることはできない。

☆☆☆ 弱い格

ガ格とヲ格、ニ格以外の格のこと。省略できず、格助詞「の」や取り立て助詞と接続することができる。

☆☆☆ 中間の格/中間的な格

ニ格のこと。強い格と弱い格の中間的な性質を持つ。

★★★ 取り立て助詞

文面にはない情報を暗示して意味を加える助詞のこと。例えば、「私も日本人です。」では、まず「私は日本人である」ことを明示しつつ、「も」によって「自分以外にも日本人がいる」ことを暗示している。

★☆☆ 並列助詞

二つ以上の言葉を対等の関係で接続するのに用いられる助詞のこと。「~や」「~やら」「~と」など。

★☆☆ 接続助詞

種類 意味
順接 前件が原因・理由、後件が結果・結論となることを示す。 だから、それで、そのため、このため、そこで、したがって、ゆえに、それゆえに、すると、それなら、それでは
逆接 前件から予想される結果とは逆の結果になることを示す。 しかし、しかしながら、が、だけど、けれども、ところが、のに、なのに、それなのに、にもかかわらず、それにもかかわらず、ものの、とはいうものの、でも、それでも、とはいえ
言換 前件について言い換える。 つまり、すなわち、要するに
例示 前件について例を示す。 例えば、いわば
並列 前件に後件を並べる。 また、および、かつ、ならびに、同じく
添加 前件に後件を付け加える。 そして、それに、それにしても、ともあれ、それから、しかも、おまけに、そのうえ、それどころか、どころか、そればかりか、そればかりでなく
対比 前件と後件を比較する。 一方、他方、逆に、反対に、反面
選択 前件と後件から選択する。 または、それとも、あるいは、もしくは、か
説明 前件について説明する。 なぜなら、というのは、だって
補足 前件について補足する。 なお、ただし、ただ、もっとも、ちなみに、そもそも、そのかわり、実は、実のところ
注目 前件の中からとりあげ注目する。 特に、とりわけ、中でも
転換 前件と話題・状況を変える。 それでは、そういえば、では、さて、ところで

☆☆☆ 無助詞化

係助詞の「ハ」や格助詞の「ガ」「ヲ」が省略される現象のこと。会話において特に生じやすい。







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