コミュニケーションと非言語コミュニケーションについて

目次

 

コミュニケーション

★★★ コミュニケーション能力/コミュニカティブ・コンピテンス (communicative competence)

コミュニケーションを行うための能力のこと。伝達能力ともいう。

談話能力 言語を理解し、構成する能力。会話の始め方、その順序、終わり方などのこと。
方略能力
(ストラテジー能力)
コミュニケーションを円滑に行うための能力。相手の言ったことが分からなかったとき、自分の言ったことがうまく伝わらなかったときの対応の仕方のことで、ジェスチャー、言い換えなどがあてはまる。
社会言語能力
(社会言語学的能力)
場面や状況に応じて適切な表現を使用できる能力。
文法能力 語、文法、音声、表記などを正確に使用できる能力。

★★★ 談話能力

カナル (Canale)が提唱したコミュニケーション能力を示す4つの能力のうち、言語を理解し、構成する能力。会話の始め方、その順序、終わり方などのこと。

★★★ 方略能力/方略的能力/ストラテジー能力

カナル (Canale)が提唱したコミュニケーション能力を示す4つの能力のうち、コミュニケーションを円滑に行うための能力。相手の言ったことが分からなかったとき、自分の言ったことがうまく伝わらなかったときの対応の仕方のことで、ジェスチャー、言い換えなどがあてはまる。

★★★ 社会言語能力/社会言語学的能力

カナル (Canale)が提唱したコミュニケーション能力を示す4つの能力のうち、場面や状況に応じて適切な表現を使用できる能力のこと。

★★★ 文法能力

カナル (Canale)が提唱したコミュニケーション能力を示す4つの能力のうち、語、文法、音声、表記などを正確に使用できる能力のこと。

★★★ 協調の原理

グライス (H.P.Grice)が提唱した会話を円滑に進めるための原理のこと。量の公理、質の公理、関連性の公理、様態の公理の4つの会話の公理からなる。

量の公理 会話するにあたって必要な情報を提供すること。少なすぎても多すぎても良くないとする。「授業は何時ですか?」に対して「もうすぐです」は情報が少なく、「4時0分0秒です。」は余計な情報が付加されているため不適切となる。
質の公理 自分が真実ではないと知っていることや確信に達していないことについて言わないこと。嘘や皮肉などがこれにあたる。
関連性の公理 話題にあがっていることと関係のあることを話すこと。
様式の公理
様態の公理
不明瞭で曖昧な表現を使わずに簡潔に言うこと。

★★☆ 会話の公理

グライス (H.P.Grice)が提唱した会話を円滑に進めるための4つの公理のこと。量の公理、質の公理、関連性の公理、様態の公理を指す。

★★☆ 量の公理

グライス (H.P.Grice)が提唱した協調の原理を構成する4つの公理の一つで、会話するにあたって必要な情報を提供すること。少なすぎても多すぎても良くないとする。「授業は何時ですか?」に対して「もうすぐです」は情報が少なく、「4時0分0秒です。」は余計な情報が付加されているため不適切となる。

★★☆ 質の公理

グライス (H.P.Grice)が提唱した協調の原理を構成する4つの公理の一つで、自分が真実ではないと知っていることや確信に達していないことについて言わないこと。嘘や皮肉などがこれにあたる。

★★☆ 関連性の公理/関係の公理

グライス (H.P.Grice)が提唱した協調の原理を構成する4つの公理の一つで、話題にあがっていることと関係のあることを話すこと。

★★☆ 様態の公理/様式の公理

グライス (H.P.Grice)が提唱した協調の原理を構成する4つの公理の一つで、不明瞭で曖昧な表現を使わずに簡潔に言うこと。

★★★ ポライトネス理論 (Politeness Theories)

ブラウン (P.Brown)とレビンソン (S.Levinson)によって提唱された、会話において両者が心地よくなるよう、あるいは不要な緊張感がないように配慮するなど、人間関係を円滑にしていくための言語行動によって、人はお互いのフェイスを傷つけないように配慮を行いながらコミュニケーションを行っているとする理論のこと。

★★★ フェイス (face)

ブラウン (P.Brown)とレビンソン (S.Levinson)によって提唱されたポライトネス理論における、人と人の関わり合いに関する欲求のこと。そのうち共感・理解・好かれたいことを望む欲求をポジティブ・フェイスといい、邪魔されたくない、干渉されたくないという自由を望む欲求をネガティブ・フェイスという。

★★★ ポジティブ・フェイス (positive face)

フェイスのうち、共感・理解・好かれたいことを望む欲求のこと。

★★★ ネガティブ・フェイス (negative face)

フェイスのうち、邪魔されたくない、干渉されたくないという自由を望む欲求のこと。

★★★ ポライトネス (politeness)

ブラウン (P.Brown)とレビンソン (S.Levinson)によって提唱されたポライトネス理論における、会話において両者が心地よくなるよう、あるいは不要な緊張感がないように配慮するなど、人間関係を円滑にしていくための言語行動のこと。

★★★ ポライトネス・ストラテジー (politeness strategy)

相手のポジティブフェイスやネガティブフェイスを侵害しないように配慮するための工夫のこと。ポジティブ・ポライトネスとネガティブ・ポライトネスに分けられる。

★★★ ポジティブ・ポライトネス (positive politeness)

相手のポジティブ・フェイスを確保しようとする言語行動のこと。

★★★ ネガティブ・ポライトネス (negative politeness)

相手のネガティブ・フェイスを侵害しないようにする言語行動のこと。

★☆☆ FTA (Face Threatening Acts)

ポジティブフェイスとネガティブフェイスを脅かすような行為のこと。FTAの度合い(フェイス侵害の度合い)は、次の公式で表される。

Wx=D(S,H)+P(S,H)+Rx

Wxはある行為が相手のフェイスを脅かす度合い、D(S,H)は話し手と聞き手の社会的距離、P(S,H)は話し手と聞き手の相対的権力、Rxはある行為の特定文化における押しつけがましさの程度を表す。

★★★ 発話行為理論 (speech act theory)

オースティン (J.L.Austin)が提唱した発話と発話意図が伝わるメカニズムに関する理論のことで、発話によって得られる行為を、発語行為、発語内行為、発語媒介行為の3段階に分けた。

発語行為 発話そのものの行為のこと。例えば、火災が発生している現場である人が「火事だ!」と叫ぶ、その発話そのものを指す。
発語内行為 発話を行うことにより相手に意図を伝えようとすること。例えば、火事が発生している現場である人が「火事だ!」と叫び、他の人に対して「火事だから逃げろ」という意図を伝えようとすること。
発語媒介行為 発話によって意図が伝わり、相手が何らかの行動を起こすこと。例えば、火事が発生している現場である人が「火事だ!」と叫び、他の人に対して「火事だから逃げろ」という意図を伝え、その警告を受け取った人々が実際に逃げようとするその行動のこと。

★★☆ 発語行為/スピーチ・アクト (speech act/locutionary act)

オースティン (J.L.Austin)が提唱した発話行為理論の発話によって得られる行為の3段階のうち、発話そのものの行為のこと。例えば、火災が発生している現場である人が「火事だ!」と叫ぶ、その発話そのものを指す。

★★☆ 発語内行為 (illocutionary act)

オースティン (J.L.Austin)が提唱した発話行為理論の発話によって得られる行為の3段階のうち、発話を行うことにより相手に意図を伝えようとすること。例えば、火事が発生している現場である人が「火事だ!」と叫び、他の人に対して「火事だから逃げろ」という意図を伝えようとすること。

★★☆ 発語媒介行為 (perlocutionary act)

オースティン (J.L.Austin)が提唱した発話行為理論の発話によって得られる行為の3段階のうち、発話によって意図が伝わり、相手が何らかの行動を起こすこと。例えば、火事が発生している現場である人が「火事だ!」と叫び、他の人に対して「火事だから逃げろ」という意図を伝え、その警告を受け取った人々が実際に逃げようとするその行動のこと。

☆☆☆ 遂行文

遂行動詞を用いた文のこと。オースティン (J.L.Austin)の用語。

☆☆☆ 遂行動詞

禁止する、約束する、命じる、お勧めする、提案するなど、発話した時点でその動作を行ったことになる動詞のこと。オースティン (J.L.Austin)の用語。

☆☆☆ 遂行性

遂行動詞がもつ、発話した時点でその動作を行ったことになるという性質のこと。オースティン (J.L.Austin)の用語。

★★★ 間接発話行為 (indirect speech act)

相手に何らかの意図を伝える際に、直接的な言い方を避け、間接的な言い方によって意図を伝えようとする発話行為のこと。例えば、小銭を借りるために「小銭貸して」というのではなく、「小銭ある?」と言い方を変えることなどが挙げられる。サール (J.R.Searle)の用語。

★★★ アコモデーション理論 (Accommodation Theory)

ジャイルズ (Giles)によって提唱された、相手によって自分の話し方を変える現象を説明するための理論。相手の言語能力によって話し方を変えるフォリナートーク、赤ちゃんに対する話し方のベビートーク、世代間のギャップを無くそうとわざと若者言葉を使って年下の人々に受け入れられようとすることもその一種。その性質からダイバージェンスとコンバージェンスに分けられる。

★★☆ 言語的収束/コンバージェンス (convergence)

アコモデーション理論のうち、自分の話し方を相手の話し方にできるだけ近付けていくこと。上司が部下に受け入れられるために若者言葉を使ったりすることなどがこれにあたる。

★★☆ 言語的分岐/ダイバージェンス (divergence)

アコモデーション理論のうち、自分の話し方を相手の話し方からできるだけ離していくこと。関西圏でも共通語を使おうとすることなどがこれにあたる。

☆☆☆ 接触場面研究

母語話者と非母語話者のコミュニケーション場面についての研究のこと。

★☆☆ 接触場面

母語話者と非母語話者のコミュニケーション場面のこと。接触場面のインターアクションでは、その場面ごとに基底規範が設定され、多くの場合はその場面で使用される言語の母語話者の規範が適用される。また、その基底規範は、言語規範、社会言語規範、社会文化規範に分けられる。そしてこれらの諸現象は、全て参加者の外来性や外国人性に起因するものとされる。

言語規範 接触場面において設定される基底規範のうち、話者が従うべき音声や語彙、文法などの規範のこと。
社会言語規範
社会言語学的規範
接触場面において設定される基底規範のうち、ある場面で用いるべき適切な表現に関する規範のこと。目上には「食べましたか?」ではなく「召し上がりましたか?」を用いるべきなど。
社会文化規範 接触場面において設定される基底規範のうち、その社会、文化に根付いている一般常識的な行動様式の規範のこと。「目上には上座を譲る」や「初対面ではハグをする」など。

★☆☆ 言語規範

接触場面において設定される基底規範のうち、話者が従うべき音声や語彙、文法などの規範のこと。

★☆☆ 社会言語規範/社会言語学的規範

接触場面において設定される基底規範のうち、ある場面で用いるべき適切な表現に関する規範のこと。目上には「食べましたか?」ではなく「召し上がりましたか?」を用いるべきなど。

★☆☆ 社会文化規範

接触場面において設定される基底規範のうち、その社会、文化に根付いている一般常識的な行動様式の規範のこと。「目上には上座を譲る」や「初対面ではハグをする」など。

★☆☆ 言語管理理論

接触場面研究の一つで、ネウストプニー (J.V.Neustupný)が提唱した、母語話者と非母語話者がコミュニケーションを行う接触場面には母語話者同士の場面には見られない特徴があるとし、そこで発生する言語問題の処理を「規範からの逸脱」「逸脱の留意」「逸脱の評価」「調整の計画」「調整の遂行」の5つのプロセスでとらえた理論のこと。

 
 

非言語コミュニケーション/ノンバーバル・コミュニケーション (nonverbal communication)

★★★ 非言語コミュニケーション/ノンバーバル・コミュニケーション (nonverbal communication)

外見、身だしなみ、顔の表情、顔色、視線、身振り手振り、体の姿勢、相手との物理的な距離(対人距離)、呼吸などによって行われる、言語以外の手段によるコミュニケーションのこと。その研究分野から、身体動作学、近接空間学、パラ言語学(周辺言語学)の3つに分けられる。

身体動作学 身振り手振り(ジェスチャー)、表情、アイコンタクトなどの身体動作に着目した研究のこと。
近接空間学 相手との距離の取り方に着目した研究のこと。
パラ言語学
(周辺言語)
言葉に付属して相手に伝えられるイントネーション、リズム、ポーズ、声質(声の大きさ、高さ、速さ、声色)、フィラーなどの研究のこと。

☆☆☆ 身体動作学

ノンバーバル・コミュニケーションのうち、身振り手振り(ジェスチャー)、表情、アイコンタクトなどの身体動作に着目した研究のこと。

★☆☆ ジェスチャー (gesture)

他の人に何かを伝えるためにする身振り手振りのこと。エクマン(Ekman)とフリーセン(Friesen)は、その性質からエンブレム、イラストレーター、アフェクトディスプレイ、レギュレーター、アダプターの5種類に分類した。

エンブレム
(言語の代行)
言葉の代わりになる動作のこと。試合中のハンドサインや、ボディーランゲージなど。
イラストレーター
(意味の強調)
発話内容の更なる理解を促すために、その物事の具体的な大きさや長さ、形、状態などを示すための動作のこと。「こんなに大きかったよ」と言いながら、両手で大きさを表現するのがこれにあたる。
アフェクトディスプレイ
(感情の表現)
喜怒哀楽などの感情を表情や身体的動作を通して伝えること。眉をひそめたり、困った顔をしたりするのがこれにあたる。
レギュレーター
(会話の調整)
相槌やアイコンタクトなど、会話の中断や続行を促す動作のこと。
アダプター
(生理的欲求への対応)
メッセージとしての意味はなく、生理的欲求を満たすために行われる動作のこと。例えば背中が痒いから掻いたり、落ち着かないから貧乏ゆすりをしたりなどがこれにあたる。

☆☆☆ エンブレム/表象

エクマン(Ekman)とフリーセン(Friesen)によって分類されたジェスチャーのうち、言葉の代わりになる動作のこと。試合中のハンドサインや、ボディーランゲージなど。

☆☆☆ イラストレーター/図解的動作

エクマン(Ekman)とフリーセン(Friesen)によって分類されたジェスチャーのうち、発話内容の更なる理解を促すために、その物事の具体的な大きさや長さ、形、状態などを示すための動作のこと。「こんなに大きかったよ」と言いながら、両手で大きさを表現するのがこれにあたる。

☆☆☆ アフェクトディスプレイ/情動表情表出

エクマン(Ekman)とフリーセン(Friesen)によって分類されたジェスチャーのうち、喜怒哀楽などの感情を表情や身体的動作を通して伝えること。眉をひそめたり、困った顔をしたりするのがこれにあたる。

☆☆☆ レギュレーター/発話調整子

エクマン(Ekman)とフリーセン(Friesen)によって分類されたジェスチャーのうち、相槌やアイコンタクトなど、会話の中断や続行を促す動作のこと。

☆☆☆ アダプター/生理的欲求への対応

エクマン(Ekman)とフリーセン(Friesen)によって分類されたジェスチャーのうち、メッセージとしての意味はなく、生理的欲求を満たすために行われる動作のこと。例えば背中が痒いから掻いたり、落ち着かないから貧乏ゆすりをしたりなどがこれにあたる。

☆☆☆ 近接空間学

ノンバーバル・コミュニケーションのうち、相手との距離の取り方に着目した研究のこと。

★★★ パラ言語/周辺言語

ノンバーバル・コミュニケーションのうち、言葉に付属して相手に伝えられるイントネーション、リズム、ポーズ、声質(声の大きさ、高さ、速さ、声色)、フィラーなどのこと。それを研究する分野をパラ言語学(周辺言語学)と呼ぶ。

★★★ イントネーション/抑揚 (intonation)

詳しくは以下を参照。
アクセントとプロソディ、発音について - イントネーション/抑揚 (intonation)

★★☆ リズム (rhythm)

詳しくは以下を参照。
アクセントとプロソディ、発音について - リズム (rhythm)

★★★ ポーズ/間 (pause)

詳しくは以下を参照。
談話と会話分析について - ポーズ/間 (pause)

★★★ フィラー (filler)

詳しくは以下を参照。
談話と会話分析について - フィラー (filler)

 
 

その他

☆☆☆ サインランゲージ (sign language)

音声言語の代わりに指・腕などの身ぶりを用いることで、特に手話を指す。

☆☆☆ 日本手話

ろう者同士の交流によって生まれた言語で、日本語とは異なる体系を持つ。

☆☆☆ 日本語対応手話

日本語の文法に則って手話を当てはめた言語のこと。

☆☆☆ ホームサイン (home sign)

手話を身につけてない、孤立している聴覚障害者が、ごく身近な人とコミュニケーションする時に使用する身振り手振りのこと。

☆☆☆ 言語景観

街頭、公共施設、店舗などに見られる言語表記のこと。日本では、英語、中国語、韓国語を併記するのが一般的となっている。

★☆☆ ピクトグラム (pictogram)

明度差のある2色を用いて表示されるサインのこと。何らかの情報や注意を単純な絵や図にして表現する技法が用いられており、非常口などのサインが代表的。

☆☆☆ デジタルサイネージ/電子看板 (Digital Signage)

表示と通信にデジタル技術を活用して平面ディスプレイやプロジェクタなどによって映像や文字を表示する情報・広告媒体のこと。タッチして操作することができる看板や案内板などが空港や複合商業施設などに設置されている。





日本語教育能力検定試験 解説, 用語集