テストと評価について

目次

 

テストの種類

★☆☆ 適性テスト/アプティテュードテスト/言語学習適性テスト/外国語学習適性テスト

受験者の外国語学習に対する適性を測るためのテスト。

★☆☆ 能力テスト/認定テスト/プロフィシエンシーテスト

受験者の能力が認定基準のどのレベルかを測る公的機関が実施するテストのこと。日本語能力試験など。

★★☆ プレースメント・テスト/組み分けテスト (placement test)

クラス分けに用いられる、学習者の言語能力を測定するためのテスト。

★★☆ 到達度テスト/アチーブメント・テスト (Achievement Test)

学習者が一定期間内で学習したことがどれだけ定着・習得できているかを測定するテストのこと。コースの途中や終了段階で行う。

★☆☆ 集団基準準拠テスト (Norm Referenced Test)

受験集団における個人の相対的な位置づけを明らかにするテストのこと。入学試験など。

★☆☆ 目標基準準拠テスト (Criterion Referenced Test)

受験者の現在の学力と到達目標までの距離や能力の伸びを明らかにするテストのこと。定期試験など。

☆☆☆ 客観テスト

明確な正答が一つだけあり、採点者の主観による採点ができないテストのこと。

☆☆☆ 再生形式

客観テストのうち、学習者自身が自らの記憶を辿って答えを書き込む形式のテストのこと。様々な出題形式がある。

☆☆☆ 単純再生法/穴埋め法

食堂(  )ご飯(  )食べる。

再生形式の一つで、文の空欄を埋めさせる問題形式のこと。

☆☆☆ 完成法

すいません。 _____ ので、遅刻しました。

再生形式の一つで、未完成の文の空所に当てはまる語を書かせて、文を完成させる問題形式のこと。

☆☆☆ 変換法/指示法/転換法

彼は私を殴りました。 → (受身文)__________

再生形式の一つで、与えられた指示通りに文を変換する問題形式のこと。

☆☆☆ 連想法

(例)昨日ケーキを買った。 → 昨日買ったケーキ
友達から靴をプレゼントされた。 → __________

再生形式の一つで、与えられた例と同じ方法で答えを導き出させる問題形式のこと。

★☆☆ 訂正法 (correction)

昨日買い物に行きますか

再生形式の一つで、誤りのある文を正しい文に訂正させる問題形式のこと。

☆☆☆ 質問法

(長文などを読ませ)Aさんはこれからどこに行きますか?

長文などを読ませ、質問に対する回答を書かせる問題形式のこと。

☆☆☆ 質問文作成法

答えが「りんご」になるような問題を作れ。

与えられた答えの文にあった質問文を作らせる問題形式のこと。

☆☆☆ 翻訳法

「今何をしていますか?」を英語に翻訳せよ。

目標言語と母語の間を翻訳させる問題形式のこと。

☆☆☆ 綴り法

次の読みを答えよ。
1.山車
2.建立

漢字の読み書きをさせる問題形式のこと。

★☆☆ クローズテスト/クローズ法 (Cloze Test)

長めの文章に空欄を作り、その空欄に当てはまるものを記入させる問題形式のこと。

☆☆☆ 再認形式

客観テストのうち、学習者に答えを選ばせる形式のテストのこと。

☆☆☆ 真偽法/◯✕法/正誤法/二肢選択法

正しいものに◯、間違っているものに✕をつけよ。
1日は25時間である。 (  )
太陽系の恒星は太陽である。 (  )

再認形式の一つで、提示された問題についての真偽を問う問題形式のこと。

☆☆☆ 組み合わせ法

正しい組み合わせを選べ。
友達(  )ご飯(  )食べる。
食堂(  )先生(  )会う。
a で  b と  c を  d に e の

再認形式の一つで、複数の項目を左右または上下に並べ、関連のあるものの組み合わせを選ばせる問題形式のこと。

☆☆☆ 多肢選択法

正しいものを選べ。
食堂(  )ご飯を食べた。
a を  b に  c で  d と

再認形式の一つで、3つ以上の選択肢の中から適当なものを選ばせるもの。

☆☆☆ 再配列法

再認形式の一つで、順不同の語を正しい順番に並び変える問題形式のこと。

☆☆☆ 主観テスト

明確な答えはなく、採点者の主観によって採点を行うテストのこと。作文、レポート、口頭試験など。

 
 

テストの性質

テストの妥当性 そのテストが測定しようとしている事柄を的確に測定しているか否かの度合いのこと。例えば、中級のテストに上級の問題が混じっていればテストの妥当性は低いと言える。
テストの信頼性 そのテストの結果が常に同様の結果を得られるかどうかの度合いのこと。例えば、連続して同じテストをした時に、その結果や受験者の順位などの変化が激しい場合は信頼性は低いと言える。
テストの客観性 採点者が変わっても採点結果が安定しているかどうかの度合いのこと。
テストの経済性 そのテストを実施するにあたって、時間や費用が経済的であるかどうかの度合いのこと。
テストの真正性 テストに使われている素材や場面などが、学習者の現実の言語使用状況をどれだけ反映しているかの度合いのこと。例えば、ロールプレイでレストランでの注文などの場面を採用した場合、実際の言語活動に近くなるので真正性が高いと言える。ディスカッション、ディベート、ロールプレイ、プロジェクトワークなどには必要な条件。

★★☆ 妥当性/テストの妥当性 (validity)

そのテストが測定しようとしている事柄を的確に測定しているか否かの度合いのこと。例えば、中級のテストに上級の問題が混じっていればテストの妥当性は低いと言える。

★★☆ 信頼性/テストの信頼性 (reliability)

そのテストの結果が常に同様の結果を得られるかどうかの度合いのこと。例えば、連続して同じテストをした時に、その結果や受験者の順位などの変化が激しい場合は信頼性は低いと言える。

★☆☆ 客観性/テストの客観性

採点者が変わっても採点結果が安定しているかどうかの度合いのこと。

☆☆☆ 経済性/テストの経済性

そのテストを実施するにあたって、時間や費用が経済的であるかどうかの度合いのこと。

★☆☆ 真正性/テストの真正性 (authenticity)

テストに使われている素材や場面などが、学習者の現実の言語使用状況をどれだけ反映しているかの度合いのこと。例えば、ロールプレイでレストランでの注文などの場面を採用した場合、実際の言語活動に近くなるので真正性が高いと言える。ディスカッション、ディベート、ロールプレイ、プロジェクトワークなどには必要な条件。

 
 

テストの理論

☆☆☆ 項目応答理論 (Item Response Theory)

試験の難易度に依存しないテストの点数を産出するための統計的テスト理論のこと。まぐれ当たりと認められた項目は点数の重みづけを減らし、より正確な能力を測定することができる。日本語能力試験や日本留学試験でも採用されている。

★☆☆ 相関分析

2変数間の関係を数値で記述する分析方法。

★☆☆ 正の相関

2つの変数の相関関係において、横軸の値(x)が増加すると縦軸の値(y)も増加する関係のこと。

★☆☆ 負の相関

2つの変数の相関関係において、横軸の値(x)が増加したときに縦軸の値(y)が減少する関係のこと。

★☆☆ 強い相関関係

2つの変数の相関関係において、直線的な関係の傾向が強いこと。

★☆☆ 弱い相関関係

2つの変数の相関関係において、直線的な関係の傾向が弱いこと。

★☆☆ t検定

幾つかのグループの「平均の差」が偶然的な誤差の範囲にあるものかどうかを判断するときに用いる分析方法。

 
 

評価

★☆☆ 選抜的評価/選別的評価

入学試験などの候補者の選び出しを目的として行う評価。

★☆☆ 熟達度評価

ある技能がどのくらいできるかで測る評価。

★☆☆ 診断的評価

コース開始前に行うもので、学習者のコース開始前の日本語力の把握、クラス分けの判断資料を目的として行う評価。プレースメントテストなど。

★☆☆ 形成的評価

コースの実施途中に行うもので、学習状況を見るためにコース開始後に随時実施される。小テストなど。

★☆☆ 総括的評価

コース終了時に行うもので、学習者の最終的な学習成果を総合的に把握するために行う評価のこと。期末試験など。

★☆☆ 相対評価

集団の中の相対的な位置付けによって行う評価。

★☆☆ 絶対評価

目標をどの程度達成したかによって行う評価。

★☆☆ 横断的評価

その人の能力を様々な基準を使って評価を行う方法のこと。

★☆☆ 縦断的評価

個々人の能力を自身の過去と比較し、時系列で評価する方法のこと。

★★☆ ハロー効果/ハローエフェクト/後光効果 (halo effect)

評価するときに、評価対象以外の要因が本来の評価へと影響する現象のこと。例えば、日頃の態度が良い学習者に対してはテストの採点も甘くなったりすることなどが挙げられる。良い方向にも悪い方向にも生じる。

☆☆☆ ピグマリオン効果 (pygmalion effect)

教師の期待によって学習者の成績が向上する現象のこと。人間は期待された通りの結果を出す傾向があるとされる。ゴーレム効果と対になる現象。

☆☆☆ ゴーレム効果 (golem effect)

教師が学習者に期待しないことによって学習者の成績が下がる現象のこと。ピグマリオン効果と対になる現象。

☆☆☆ ラベリング効果 (labeling effect)

相手に対して特定のラベルを張ることによって、ラベルを張られた本人がそのラベル通りの行動を行うようになったり、周囲もそのラベルによって考え方が歪められたりする現象のこと。

☆☆☆ 中心化傾向 (Central tendency)

学習者を評価する際に、個別の学習者についてよく知らないためにその多くを「普通」と評価してしまう現象のこと。

☆☆☆ 対比誤差

評価者が自分自身や他の誰かを基準として歪んだ評価をしてしまう現象のこと。例えば、「私はこれだけできたのに、なぜできないんだ」や「私はできないけど、彼はできている」のような考え方によって正しい評価との誤差が生じる。

 
 

試験

★★☆ OPI (Oral Proficiency Interview)

ACTFLが開発した外国語の口頭表現能力を測定するための試験。タスクと機能、場面/話題、正確さ、テキストの型の4つの基準からレベルを判定する。受験者のレベルの下限と上限を見極めるために、難易度を調整しながら行われるのが特徴。30分間の試験では、インタビューやロールプレイなどを行う。「超級、上級、中級、初級」という4つの主要レベルがある。







日本語教育能力検定試験 解説, 用語集