文の構成と分類について

 

構成による分類

★★★ 単文 (simple sentence)

「りんごが落ちる」のように、文中に述語が一つだけある文のこと。

★☆☆ 重文 (compound sentence)

「りんごが落ちて、頭に当たった」のように、単文を2つ以上並列させた文のこと。

★★★ 複文 (complex sentence)

文中に修飾語・修飾部がある文のこと。または、複数の述語によって構成された文のこと。複文は主節と従属節から構成される。

★★★ 主節 (Independent clause)

複数の述語によって構成される複文のうち、主となる節のこと。例えば、「私は彼女が作った料理を食べた」における、「私は食べた」がこれにあたる。

★★★ 従属節 (Dependent clause)

複数の述語によって構成される複文のうち、主節に付属する節のこと。「私は彼女が作った料理を食べた」における「彼女が作った料理」がこれにあたる。その機能から連体修飾節、補足節(名詞節)、引用節、副詞節、並列節の5つに分けられる。

連体修飾節
名詞修飾節
名詞を修飾する節 彼女が作った料理を食べた。
腐った弁当を捨てた。
昨日買った服を着て行く。
補足節
(名詞節)
「の」「こと」によって
名詞句化された節
彼女が結婚することを噂で聞いた。
床に散らばっているのを掃除する。
彼らがここにいたことを忘れないでください。
引用節 発言等を引用する節 彼女は、私は結婚しないと言った。
私は、それは間違いだと思う。
もう二度としないと誓った。
副詞節 原因・理由・目的・条件などを表し、
主節の述語を修飾する節
彼が来ないと始まらない。
旅行するためにアルバイトしたい。
人に聞かれないようにこっそり話す。
並列節 主節と同程度の内容を
並列的に述べる節
彼女は料理を作り、私はそれを食べた。
先生が問い、学生が答えた。

★★☆ 連体修飾節/名詞修飾節

複文における従属節のうち、名詞を修飾する節のこと。「彼女が作った料理を食べた」における「彼女が作った料理」がこれにあたる。連体修飾節はその構造から内の関係と外の関係に分類される。

★☆☆ 内の関係

連体修飾節内の主名詞と修飾節との間に格関係がある連体修飾節のこと。「私が愛用しているギター」が「私はギターを愛用している」と言い換えられるような場合がこれにあたる。

★☆☆ 外の関係

連体修飾節内の主名詞と修飾節との間に格関係がない連体修飾節のこと。「父の私を呼ぶ声」のような文のこと。

★★☆ 補足節/名詞節

複文における従属節のうち、「の」「こと」によって名詞句化された節のこと。「彼女が結婚することを噂で聞いた」における「彼女が結婚すること」がこれにあたる。

★★☆ 引用節

複文における従属節のうち、発言等を引用する節のこと。「彼女は、私は結婚しないと言った」における「私は結婚しない」がこれにあたる。

★★☆ 副詞節

複文における従属節のうち、原因・理由・目的・条件などを表し、主節の述語を修飾する節のこと。「彼が来ないと始まらない」における「彼が来ないと」がこれにあたる。

★☆☆ 付帯条件

ある動作をするにあたって、それに付属する何らかの状態や条件のこと。「財布も持たずに出かける」において、「財布も持たず」が「出かける」ときの付帯条件となる。

条件節

詳しくは以下を参照。
 仮定条件、確定条件、事実条件、反事実条件について

★★☆ 並列節

複文における従属節のうち、主節と同程度の内容を並列的に述べる節のこと。「彼女は料理を作り、私はそれを食べた」における「彼女は料理を作り」がこれにあたる。

 
 

述語による分類

☆☆☆ 名詞述語文/名詞文/コピュラ文

述語に「名詞+だ」の構造を持つ文のこと。「彼は教師だ」「彼は素晴らしい教師だ」など。

☆☆☆ 繋辞/コピュラ (copula)

「だ」「です」「である」「ではない」「らしい」「ようだ」など主語と述語を結ぶための品詞のこと。動詞には分類されないが動詞のように振る舞う。これらが用いられる文は「A=B」の形を取るため、名詞述語文、コピュラ文と呼ばれる。

★☆☆ 指定文

「AはB」のとき、「BはA」が成り立つ文のこと。例えば、「私の傘はそれです。」を「それは私の傘です。」と言い換えることができるような文のこと。

★☆☆ 措定文

「AはB」のとき、「BはA」が成り立たない文のこと。例えば、「猫は可愛い動物です。」を「可愛い動物は猫です。」と言い換えることができない文のこと。

★☆☆ うなぎ文

注文するものを決めるときや、好きな食べ物を聞かれたときなどに用いる「~は~だ」の文のこと。「ぼくはうなぎだ」が代表的。

☆☆☆ こんにゃく文

述語の一部を省略して述べられる文のこと。「こんにゃくは太らない」が代表的で、述語の「~食べ物だ」が省略されている。

☆☆☆ 形状詞述語文

述語に「形状詞+だ」の構造を持つ文のこと。「外は静かだ」「街は賑やかだ」など。形状詞も名詞として扱えるために名詞述語文の「名詞+だ」を同じ構造をとることから、名詞述語文に分類されることもある。ここでいう形状詞とは、ナ形容詞語幹、形容動詞語幹を指す。

☆☆☆ 形状詞

ナ形容詞語幹、形容動詞語幹のこと。

☆☆☆ 形容詞述語文

述語にイ形容詞がくる文のこと。「外がうるさい」「旅行は楽しい」など。

☆☆☆ 動詞述語文

述語に動詞がくる文のこと。「旅行に行く」「虫が飛ぶ」など。

 
 

静的と動的

★☆☆ 静的述語

主語の状態や性質を表す状態動詞や形容詞、「~Nです」などの形を取るの述語のこと。言い換えると、名詞述語文、形状詞述語文、形容詞述語文、状態動詞が述語に来る動詞述語文のこと。

★☆☆ 動的述語

主語の動作や行為を表す述語のこと。状態動詞以外の動詞が述語に来る動詞述語文のこと。

 
 

その他

★★★ 非文

文法的に間違っているために成立しない文のこと。

★☆☆ 分裂文

単文の中のある成分を強調するために抜き出して複文にしたもののこと。「私はコーラが飲みたい。」の「コーラ」を強調するために、「私が飲みたいのは、コーラだ。」というような文。





日本語教育能力検定試験 解説, 用語集