平成23年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(8)解説

 平成23年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(8)は【指示詞の現場指示・文脈指示用法】の問題です。

 現場指示とは、指示語を実際に近くにあるものを指して用いる用法です。
 文脈指示とは、指示語を目の前にはないものを指して用いる用法です。

  (1) このケーキ誰が買ってきたの? (現場指示)
  (2) 今度あそこのお店に行こう? (文脈指示)

 現場指示や文脈指示などの代名詞や指示語には、前方照応と後方照応があります。照応は、文章・談話の中で、代名詞や指示語を用いて具体的な何かを指すことです。特に代名詞や指示語がそれよりも前に出てきたものを指すことを前方照応後に出てくるものを指すことを後方照応といいます。

  (3) 田中さんとは話が合う。彼は私より10歳も年上なのに。
  (4) この人は私の恋人です。彼女とは職場で出会いました。
  (5) お腹がすいたらこれを食べてね。今日作ったカレーだよ。
  (6) 何か食べたい。例えば、とんかつとか。

 (3)(4)は前方照応、(5)(6)は後方照応です。

文脈指示 前方照応
文脈指示 後方照応
文脈指示 前方照応
現場指示 前方照応
文脈指示 前方照応

 照応の観点から見ると答えは2になるのですが、問題は【指示詞の現場指示・文脈指示用法】なので、文脈指示と現場指示だけを見ます。
 したがって答えは4です。