平成24年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題9解説

問1 符号化

 目や耳などから感覚情報が入力(インプット)され、それらはワーキングメモリに送られます。ワーキングメモリ上では、その情報を忘れないようにするために、メモしたり繰り返したりするリハーサルや、記憶に残すための形や音に変換する符号化が行われます。それらは15~30秒程度保持されます。そのうち一部が長期記憶へ送られる過程を転送と言い、長期記憶で保持することを貯蔵と呼びます。長期記憶が必要になると、検索を行い出力(アウトプット)されます。

 したがって答えは3です。

 

問2 自動化

 長期記憶には、言語化できる宣言的記憶と言語化できない手続き的記憶に分けられます。宣言的記憶はさらに、個人的な経験や思い出などの一連の出来事に関するエピソード記憶と、言葉の意味や一般的な知識の意味記憶の2つに分けられます。手続き的記憶は体で覚えた記憶のことで、そのやり方について言語化して説明できない記憶を指します。言語習得過程において、意識して使っていた表現などが無意識に使えるようになるのは宣言的記憶が手続き的記憶に移行したと見ることができ、これを自動化と呼びます。

 したがって答えは4です。

 

問3 ワーキングメモリ(作動記憶)

 1 ワーキングメモリでは15~30秒程度保持されます。
 2 その容量は当然人によって個人差があります。
 3 言語情報以外にも、五感の情報も記憶できます。
 4 正しいです。外国語副作用に関係します。

 外国語副作用 (Foreign language side effect)とは、学習者が学習中の第二言語を用いているとき、処理資源(ワーキングメモリの処理能力)をその第二言語の処理にとられるため、知的レベルが全般的に低下する心理現象のこと。

 したがって答えは4です。

 

問4 長期記憶の種類

 問2の説明より、答えは3です。

 

問5

 1 正しいです。
 2 正しいです。
 3 正しいです。
 4 「一方向」という部分が誤りです。全て双方向の流れで理解を進めます。

 したがって答えは4です。

 





平成24年度, 日本語教育能力検定試験 解説