平成26年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題10解説

問1 プライミング効果

 プライミング効果 (priming effect)とは、あらかじめ提示された事柄(プライム)により、それに関連する別の事柄(ターゲット)が覚えやすくなったり、思い出しやすくなること。教室においては、あらかじめ教師が手本を見せたり、授業に関連する内容の雑談をしておくなどすることで学習効率を高めることができるとされる。

 1 エビングハウスの忘却曲線では、間隔を開けた再学習による忘却防止が図られることが分かっています。
 2 プライミング効果の応用例です。
 3 プライミング効果の説明ではありません。
 4 プライミング効果の説明ではありません。

 したがって答えは2です。

 

問2 コロケーション

 「辞書を使う」「辞書を見る」と言っても意味は分かりますが、通常は「辞書を引く」「辞書で調べる」と言います。このような言葉の自然な組み合わせのことをコロケーション(collocation)といいます。

 したがって答えは3です。

 

問3 チャンキング

 心理学者ミラーの提唱した概念が提唱した認知心理学の用語で、人間が知覚する情報のまとまりを意味する語をチャンクと呼びます。人が短期記憶として一度に覚えられるものは4~7個の情報だとされており、それ以上覚えるためには、情報をかたまりで覚えるチャンキングを使うことが必要になります。

 したがって答えは2です。

 

問4 記憶に残りにくい指導法

 記憶の干渉とは、ある記憶が他の記憶によって影響されることです。対義語や類義語などの互いに類似した記憶ほど干渉が起こりやすいです。

 母語の干渉(言語転移)とは、学習言語における母語の影響のことです。それらの影響のうち、学習を促進させるものを正の転移、妨げとなるものを負の転移と呼びます。

 したがって答えは1です。

 

問5 対義語や類義語を指導する際の留意点

 1 語と語の繋がりを示すことで記憶に残りやすくなります。
 2 正しいです。
 3 1と同じく、記憶に残りやすくなります。
 4 「暑い」や「寒い」は天気にしか使えませんが、「hot」や「cold」は天気にも飲み物の温度などにも使えます。言語によって使える範囲が異なるので、一対一で教えるのは望ましくありません。

 したがって答えは4です。

 







平成26年度, 日本語教育能力検定試験 解説