平成27年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題11解説

問1 談話能力

 コミュニケーション能力に関して、ハイムズは、コミュニケーションには正しい言語形式を使用するだけではなく、場面や状況に応じた使い方をすることが必要だと提唱しました。これを伝達能力(コミュニカティブ・コンピテンス)と言います。
 また、カナルは、伝達能力は文法能力、社会言語能力、方略能力、談話能力から成り立っていると主張しました。

談話能力 言語を理解し、構成する能力。会話の始め方、その順序、終わり方などのこと。
方略能力
(ストラテジー能力)
コミュニケーションを円滑に行うための能力。相手の言ったことが分からなかったとき、自分の言ったことがうまく伝わらなかったときの対応の仕方のことで、ジェスチャー、言い換えなどがあてはまる。
社会言語能力
(社会言語学的能力)
場面や状況に応じて適切な表現を使用できる能力。
文法能力 語、文法、音声、表記などを正確に使用できる能力。

 1 社会言語能力に関わる誤用
 2 文法能力に関わる誤用
 3 社会言語能力に関わる誤用
 4 談話能力に関わる誤用

 したがって答えは4です。

 

問2 イマージョン教育

 イマージョンとは「浸す」という意味で、目標言語で目標言語を教えるなどの教育法をイマージョン・プログラムと言います。それとは逆に、母語話者しかいない環境に学習者を置くこと教育法をサブマージョン・プログラムと言います。サブマージョンは「沈める」という意味です。

 1 
 2 イマージョン教育
 3 
 4 サブマージョン教育

 したがって答えは2です。

 

問3 カナダのイマージョン教育の問題点

 カナダのイマージョン教育では『聞き取る能力や読む能力はネイティブスピーカーに近くなるが、話す能力や書く能力にはかなりの差がある。』という問題点が指摘されたようです。

 したがって答えは3です。

 引用元:http://www.bi-lingual.com/pdf/Cummins.%20What%20have%20we%20learned.%20(Japanese).pdf

 

問4 アウトプット仮説

 アウトプット仮説 (The Output Hypothesis)とは、スウェイン (M.Swain)によって提唱された、相手が理解可能なアウトプットをすることで言語習得が促されるとする理論。自分が言えることと言えないことの差に気付くことで、言えないことを言えるようになろうとすることが言語習得に繋がるとされている。

 ロング (Long)が提唱した第二言語習得に関する仮説。他者との言語を使ったやり取り(インターアクション)をお互いに行い意味交渉することで言語習得が促進されるとする。ここでいう意味交渉は、明確化要求、確認チェック、理解チェックの3種類に分けられる。

明確化要求 相手の発話が曖昧で理解できないときに、発言を明確にするよう要求すること。
確認チェック 相手の発話を自分が正しく理解しているかどうか確認すること。
理解チェック 自分の発話を相手が正しく理解しているかどうか確認すること。

 1 アウトプット仮説
 2 インターアクションの確認チェック
 3 インターアクションの理解チェック
 4 インターアクションの明確化要求

 したがって答えは1です。

 

問5 インフォメーション・ギャップ

 インフォメーションギャップとは、話し手と聞き手の間に存在する情報格差のことです。

 ロールプレイやディスカッション、ディベートは、コミュニカティブ・アプローチ(Communicative Approach) の考え方を反映した言語活動で、現実のコミュニケーションと同じような活動を教室で行うのが特徴的です。これらはコミュニケーション能力の育成を中心としているため、インフォメーションギャップ(情報格差)、チョイス(選択権)、フィードバック(反応)の三要素が組み込まれた言語活動が行われるのが好ましいとされています。

 
 1 分担して調べて結果を出し合う部分にインフォメーションギャップがあります。
 2 1人1コマしか知りませんので、お互いにインフォメーションギャップがあります。
 3 相手の国の学校制度は知りませんので、お互いにインフォメーションギャップがあります。
 4 一緒に2枚の絵を見比べますので、インフォメーションギャップはありません。

 したがって答えは4です。

 





平成27年度, 日本語教育能力検定試験 解説