比喩的拡張に関するまとめ(隠喩/換喩/提喩)

類似性の連想に基づく隠喩(メタファー)

 メタファー(metaphor)とは、物事のある側面から連想した類似性に基づく具体的なイメージを用いて、抽象的な物事を表す比喩の一種です。隠喩ともいいます。

 例えば、「頭が真っ白になる」は衝撃的な事態に直面して何も考えられなくなった時に用いる表現ですが、この「真っ白」は何も書かれていない紙や何もない真っ新な状態等を表しています。その二つの状態の類似性を利用することによって、思考が止まって呆然としてしまう抽象的な状態を表現しています。

 頭がショートする、足が棒になる、記憶が飛ぶ、画面が凍る、月見うどん、たい焼き、パンの耳…

 

隣接関係に基づく換喩(メトニミー)

 メトニミー(metonymy)とは、様々な概念の隣接性に基づいて物事を表す比喩の一種です。換喩ともいいます。

 メトニミーには様々なパターンがありますので、頻繁に用いられるものを以下に示します。

関係性
建物や地名で関係することを表す ホワイトハウスの声明/永田町の常識/広島、長崎を忘れない
特徴的な属性で人を表す 白バイに捕まった/パトカーに捕まった
入れ物で中身を表す やかんが湧いた/隣の部屋がうるさい
結果で原因を表す あくびが出る(眠いからあくびが出る)/筆を執る/耳を傾ける/ユニフォームを脱ぐ
人で物を表す バッハが好き、米津玄師を聴いた

 

上位語と下位語の包括関係に基づく提喩(シネクドキー)

 シネクドキー(synecdoche)とは、上位概念を下位概念で、また下位概念を上位概念で言い換える比喩の一種です。提喩ともいいます。

 例えば、「式を挙げる」の「式」は葬式でも儀式でもなく結婚式を指しています。「式」という上位概念で下位概念の「結婚式」を表しています。また、下位概念で上位概念を表す例として「お茶でも飲みに行きましょう」があります。この「お茶」は飲み物や食事などを表しています。

 親子丼、焼き鳥、花見…







日本語教育能力検定試験 解説