平成28年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題5解説

問1 話し合いを活性化する方法

 1 どんな活動でもゴールを明確にする方が盛り上がりやすくなります。
 2 学習者のレベルにあった活動を行うべきです。初級にロールプレイは難しいです。
 3 まず少人数のグループで話し合いをさせるべきです。
 4 自由に発言させると話せない人が出てくるので、段階を踏ませるべきです。

 したがって答えは1です。

 

問2 スキャフォールディング

 子どもは突然何かできるようになるわけではなく、「できない」と「できる」の間には中間的な段階が存在するとヴィゴツキーは提唱しました。例えば自転車を乗りこなせるようになる過程において、周囲の大人がアドバイスをしたり、後ろを支えてもらったりします。このように子どもが他人からアドバイスやサポートを受けて何かできるようになっていく段階を最近接発達領域/発達の最近接領域(ZPD)と呼びます。
 また、できるようになるために第三者がする手助けのことをスキャフォールディングと呼びます。

 選択肢4では、学生は「格差」という単語が思い出せずに言い淀んでいます。そこに教師から「格差」という言葉を与えることで学生に思い出させ、発話の手助け(スキャフォールディング)をしています。

 したがって答えは4です。

 

問3 不安や緊張が及ぼす影響

 1 不安や緊張は、アウトプットにもインプットにも影響します。
 2 教師の態度によっても学習者が不安や緊張を感じます。
 3 教室外でも、授業前に緊張する学習者もいます。
 4 不安や緊張に押さえつけられることの方が多いですが、それらを克服しようと積極的になる学習者もいます。

 したがって答えは4です。

 

問4 ジャーナル

 ジャーナルと聞いて思い浮かべるのはジャーナル・アプローチです。

 ジャーナル・アプローチとは、学習者が思っていることや問題点を自由に書くことで、本人にその原因などを気付かせる方法です。学習者が書いたものをジャーナルと呼び、それらを教師や援助者と共有することでフィードバックを受け取り、お互いの相互理解を深めることに用いられます。

 授業の振り返りに用いる「ジャーナル」ということですから、授業の記録を取って援助者と共有し振り返ることだと思われます。

 したがって答えは2です。

 

問5 自己研修型教師

 自己研修型とは、自らの教授活動を振り返りながら自律的な自己成長を目指すことです。

 1 正しいです。
 2 正しいです。
 3 熟練教師の授業が完璧というわけではありませんので、忠実に模倣する必要はありません。
 4 既存の教授法を否定的に捉え、常に見直していく姿勢が必要になります。

 したがって答えは3です。