平成27年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅱ 問題3解説

平成27年度, 日本語教育能力検定試験

 調音点や調音法については母音と子音の分類とIPA表記を参考にしてください。
 

1番

 「す」が「しゅ」になる誤りです。
 「しゅ(し)」は歯茎硬口蓋摩擦音です。まず舌が歯茎硬口蓋付近にあるcとdに絞られます。摩擦音は口腔内のどこかで狭めを作り、かつ鼻腔への通路が閉じている状態ですので、cとdのうち、狭めを作っているdが答えになります。

 したがって答えはdです。

 

2番

 「よ」が「にょ」になる誤りです。
 「にょ(に)」は歯茎硬口蓋鼻音です。舌が歯茎硬口蓋付近にあるのはaだけです。また、鼻音は口腔内のどこかで閉鎖を作り、かつ鼻腔への通路が開いている状態ですので、やはり鼻腔への通路が開いているaが答えになります。

 したがって答えはaです。

 

3番

 「きょ」が「ちょ」になる誤りです。
 「ちょ(ち)」は歯茎硬口蓋破擦音です。まず舌が歯茎硬口蓋付近にあるb、dに絞られます。破擦音は口腔内のどこかで閉鎖を作り、かつ鼻腔への通路が閉じている状態ですので、b、dのうち、鼻腔への通路が閉じているbが答えになります。

 したがって答えはbです。

 

4番

 「ね」が「にぇ」のような発音になる誤りです。
 「ね」は有声歯茎鼻音、「に」は有声歯茎硬口蓋鼻音で、調音点が異なります。
 母音はどちらも「e」ですので、舌の位置は同じです。

 したがって答えはaです。

 

5番

 「や」が「ざ」になる誤りです。
 「や」は有声硬口蓋接近音、「ざ」は有声歯茎破擦音で、調音点も調音法も異なります。

 したがって答えはcです。

 

6番

 「き」が「ぎ」になる誤りです。
 「き」は無声軟口蓋破裂音、「ぎ」は有声軟口蓋破裂音で、声帯振動の有無に問題があります。

 したがって答えはcです。

 

7番

 「じゅ」が「じ」になる誤りです。
 いずれも有声歯茎硬口蓋破擦音ですが、母音が「u」と「i」で異なります。「u」は後舌、「i」は前舌で、舌の前後位置が異なります。

 したがって答えはbです。

 

8番

 「た」が促音のような音になる誤りです。
 「ta」の母音「a」が脱落したことによって促音のように聞こえています。

 したがって答えはaです。