平成29年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題4解説

問1 パターン・プラクティス

 1 フォーカス・オン・フォーム
 フォーカス・オン・フォーム(FonF)とは、言語の形式を重視することです。特に文法を中心とした形式面に着目します。オーディオリンガル・メソッドはFonFの代表的な教授法です。

 2 コミュニカティブ・アプローチ
 コミュニカティブ・アプローチ(Communicative Approach) とは、コミュニケーション能力の育成を中心とし、情報の格差を埋めることがコミュニケーションの本質という考え方に基づいています。インフォメーションギャップ(情報格差)、チョイス(選択権)、フィードバック(反応)などの要素がある、現実のコミュニケーションと同じような活動を教室で行います。形式よりも意味を重視するフォーカス・オン・ミーニングに分類されます。

 3 オーディオ・リンガル・メソッド
 オーディオ・リンガル・メソッド(Audio-Lingal Method)です。目標言語の音声や文法構造をミムメム練習やパターンプラクティスを用いて学習し、それらを無意識に自動的に反射的に使えるようになることを目標とする教授法です。また、もともと兵士の語学訓練のために用いられたため、アーミー・メソッド(Army Method)などとも呼ばれます。

 4 TPR(Total Physical Response)
 全身反応教授法とも呼ばれます。アッシャーにより提唱された教授法で、母語習得過程を応用して発話よりもまず聴解力を養成し、教師の指示に対して動作を使って応答する活動を行います。

 
 パターン・プラクティスといえば、オーディオ・リンガル・メソッドです。
 したがって答えは3です。

 

問2 モデル会話

 モデル会話とは、通常教科書に書かれている対話形式の文章のことです。その課で導入した単語や文法などを使って対話が行われたりします。

 1 モデル会話の展開が自然なほうが良いです。
 2 モデル会話として表現形式は分かりやすいほうがいいです。
 3 ユニークではなく、より一般的な場面でモデル会話を設定すべきです
 4 正しいです。

 したがって答えは4です。

 

問3 シラバス

概念・機能シラバス 時、量、位置などの概念を学習の柱としたシラバス。シラバスに時間を組み込んだ場合は、「いつも」「ときどき」「まれに」「すぐに」などの表現を学びます。
構造シラバス 言語の構造や文型に焦点を当てて構成されたシラバス。オーディオリンガルアプローチやサイレントウェイで用いられます。
機能シラバス 言語の持つ機能に焦点を当てて構成されたシラバス。
依頼する、慰める、同意する、拒否する、提案するなど…
場面シラバス 言語の使用場面に焦点を当てて構成されたシラバス。レストランで、スーパーでなど…
トピックシラバス
(話題シラバス)
実社会で話題になっている事柄やコミュニケーションの際に頻繁に触れられる話題を中心に構成されたシラバス。時事ネタなど…
スキルシラバス
(技能シラバス)
言語の四技能(読/書/話/聞)の中から、学習者に必要な技能に焦点を当てて構成されたシラバス。
タスクシラバス
(課題シラバス)
言語を使って何らかの目的を遂行することに焦点を当てて構成されたシラバス。買い物する、口座を開設する…

 したがって答えは3です。

 

問4 フィラー

 フィラーとは、「あのう」「そのう」「えっと」などの言い淀み、言葉を探しているときに発せられる言葉のことです。

 1 相槌
 2 フィラー
 3 感動詞/感嘆詞
 4 相槌

 したがって答えは2です。

 

問5 OPI(Oral Proficiency Interview)

 OPI(Oral Proficiency Interview)とは、ACTFLが開発した外国語の口頭表現能力を測定するための試験です。タスクと機能、場面/話題、正確さ、テキストの型の4つの基準からレベルを判定します。受験者のレベルの下限と上限を見極めるために、難易度を調整しながら行われるのが特徴です。30分間の試験では、インタビューやロールプレイなどを行います。「超級、上級、中級、初級」という4つの主要レベルがあります。

 選択肢4に「インタビュー」という単語があるのに注意です。確かにOPIではインタビュー形式の試験ですが、難易度を調整しながら受験者のレベルを測定するのが特徴的です。

 したがって答えは2です。