【異文化適応過程】Uカーブ仮説とWカーブ仮説

 異文化適応過程を表すモデルとして、Uカーブ仮説とWカーブ仮説があります。

Uカーブ仮説

 Uカーブ仮説はリスガード(S.Lysgaard)によって提唱されました。新しい環境下で起こる人間の心理状態の変化を表した曲線で、カルチャーショックを乗り越えて異文化に適応していく過程を、ハネムーン期、不適応期、適応期に分類しました。その様子を図示するとU字に見えることからUカーブと呼ばれています。また、U字型曲線モデル、U字曲線などとも呼ばれます。
 海外だけでなく、新入社員の五月病などもUカーブ曲線で説明することができます。

1.ハネムーン期

 ハネムーン期は見る物全てが新鮮に感じられる楽しい時期です。短期旅行ではハネムーン期しか経験しません。

2.不適応期

 不適応期はいわゆる心理的ショックを受ける時期で、カルチャーショック期とも呼ばれます。カルチャーショックとは異文化の習慣や考え方・常識が自文化と大きくかけ離れているため、心理的ショックを受けたりすることです。ハネムーン期とは反対に、現地での慣れによって嫌な部分が見えたり、幻滅したりする時期です。この時期の長さは年齢や性別、性格、経験、異文化と自文化の差などによって変わります。

3.適応期

 カルチャーショックが収束して徐々に順応してきている時期です。回復期とも呼ばれます。

 

Wカーブ仮説

 Uカーブ仮説を基として、その後ガラホーン(J.Gullahorn)によって提唱されたのがWカーブ仮説です。Uカーブ仮説に帰国後の自文化での再適応過程を加え、その適応過程がW字に見えることからこのような名前がつけられました。W字型曲線モデルとも呼ばれます。このWカーブ仮説を何段階に分けるかは諸説あるようですが、少なくともハネムーン期、不適応期、適応期、リエントリーショック期の4段階あります。

4.リエントリー・ショック期

 適応期を経て帰国した人に訪れる、自国文化への再適応が必要な時期です。海外在住歴(適応期)がそれなりに長く、現地での生活に満足していたり、友人に恵まれていた人ほど帰国後の再適応に苦しむとされています。この時に受けるショックを、リエントリー・ショックと呼びます。





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