sonyよりiPhoneのほうが…

 今日は一年生に比較の文法を教えました。

 ①BよりAのほうが~です。
 ②AはBより~です。
 ③AとB、どっちが~ですか?
 ④一番~なのはどれ?だれ?

 比較関係の文法はざっと挙げるだけでもこれだけあります。1つの授業で全部やると説明づくしになってしまってダメなので、最も重要かつ私がよく使う「①BよりAのほうが~です。」を中心に教えることにしました。②AはBより~です。も使うことは使うんですが、①のほうがより口語チックで主観的な感じがしませんか? 完全に私の感覚的なものなんですが…。

 用意したものは携帯のみ。
 私が中国で使っている小米と、日本から持ってきたsonyのXperia。

 まずは私のいつも使っている小米の携帯を見せます。その後もう一つのsonyの携帯を取り出してこちらも紹介。続いて「iPhoneありますか?」と学生に聞き、もしあればその携帯をちょっと借りちゃいましょう。様々なブランドがあるかと思いますが、3~4種類くらいの携帯が揃ったら十分です。

 ブランド名と価格、性能、デザインを黒板に書いて表を作ります。価格、性能は漢字を見れば1年生でも分かります。デザインはdesignと書いたらすぐ分かってくれました。そしたら「iPhoneの価格はどうですか?」と聞きます。高いと言えば、高いを書きましょう。次は「sonyの価格はどうですか?」という具合に、一つひとつ聞いて書き入れていきます。

 ここまで来たらいよいよ文法の出番。
 「価格はsonyよりiPhoneの方が高い」
 「性能は小米よりsonyの方が良い」
 …
 このように1回書いてみると分かりやすいですね。比較に関して言えば日本語と中国語は非常に類似しているので簡単に導入できます。

 これが終わったら次は学生に手伝ってもらいましょう!
 2人適当に選んで教壇まで呼びます。教壇に立つ2人を見て私が「AさんよりBさんのほうが背が高い」という具合に例文を作ります。学生の様子を十分に考慮した上で身長、体重、年齢などの特徴を比較してもいいですし、スポーツが上手とかよく食べるとか、その他の特徴を取り上げてもいいですね。これを2~3回、それぞれ別の人を呼んで繰り返します。2回目以降は学生に考えてもらいましょう。最後は学生一人と私自身を比較してもらいました。
 ・AよりBの方が目が良い
 ・年齢が上
 ・面白い
 ・髪が長い
 ここでは実際にこのような比較をしてくれましたね。

 これで導入はバッチリです。
 あとは学生一人ひとりに自由に例文を考えてもらいましょう。作ってもらった例文でいつも通り会話を広げていく。これで100分いっちょあがり!

ルービックキューブができますか?

 1年生今日はできる、できないの授業でした。
 これが分かると会話が広がるので早めに導入しておきたいと思っていました。わざわざ授業をするほど難しくないのでスルーしようかとも考えたんですが、結構良い案が浮かびましたので急遽やることに。多少の物と技術が必要なんですが、ありさえすれば面白くできそうです。

 実際に私が用意したものは以下。
 ・ルービックキューブ
 ・日本の運転免許証
 ・ペン

 まず、ルービックキューブを取り出してみんなに見せます。完成したものでは意味がないので必ず崩してあるものを見せます。これは何?と聞いて名前をざっと確認しておきましょう。片仮名でしかも長いので難しめなので、黒板に書いておくだけで結構です。覚えさせる必要は一切ありません。

 学生に向けて「これ、どうですか?」と言います。これは「できますか?」という意味で聞いているんですが、ここで「できますか?」と言っては早過ぎます。今日勉強する内容は初めに教えずに導入していきましょう。そしたら一人ひとり聞いて回ってできる人を探します。もし6面できる人がいるならその人に渡して完成させてもらいましょう! 1面だけできるよって人を探してもいいです。もしできるという人が誰もいなければ、教師自身がやってみせます。

 今日のクラスでは1面ならできるよという人が1人いましたので、やってもらいました。
 1面だけ完成したルービックキューブを受け取ってみんなに見せます。するとそこそこ歓声が起こりますから、このタイミングで黒板に一文。
 「〇〇はルービックキューブができます。」
 もし教師自身ができなくても、学生の中に誰かできる人、1面でもできる人がいれば可能です。教師ができないなら、「先生はルービックキューブができません。」と否定形も確認できます。

 これ以外の方法では、運転免許証。あえて何も教えずに学生に回して見せます。これは何?と聞くと、車という単語が出てくると思いますから、こうなったらおk。
 「先生は車を運転することができます。」

 ペンならペン回しでもいいでしょう。ギターが出来ればギターでもいいんですが、教室に持っていくにはやや不便ですね…。他にもすぐ考え付くものとしては、折り鶴、指パッチン、手品等々…。手品は私全くできませんが、もしできたら超盛り上がるでしょうね! なんか冬休み練習しようかな。
 そしたら接続も確認しておきましょう。

 名詞+ができます。/できません。
 動詞辞書形+ことができます。/できません。

 ※なお、1年生ですので可能の「れる」「られる」は今回扱わないことにします。

 ここまで来たら最後、みんなの特技や苦手なことを教えてもらいましょう
 「~ができます。」で例文1つ。「~ができません」で1つ。

 一人ずつ言った内容を膨らましていけば100分は余裕で持ちますね!
 この授業は教師自身の特技が多ければ多いほど盛り上がりそう? まさかルービックキューブがこんなところで役に立つとはね。

先生、〇〇してみたらどう?

 今日は「~てみる」の授業をしました。この文法自体は1年生の後期に既に勉強した内容。なので2年生には簡単すぎるとは思ったんですが、実は一つ試してみたいことがあったのでこの時期まで温存していた教案です。

 まずは簡単に「~てみる」の意味について説明します。

 ①死にたい。
 ②死んでみたい。

 この2つの違いは何でしょうかと学生達に聞きます。すると、既に理解している学生から「試す」という言葉が聞こえてきました。確かに「試す」という意味がとても強い文法ですね。もうちょっと踏み込んだ理解のために、①の目的は何? ②の目的は無い? と聞いてもいいかもしれません。

 ①の目的はズバリ死ぬことです。死ぬことで目的が達成されるからです。
 一方②の目的は、“死んだ後どうなるか分からないから、それを知りたい”という感じでしょう。つまり好奇心。死の先に何があるのか、あるいは死とは何かを確かめたい。そんなニュアンスがあります。とある学生は「生まれ変わるため」なんて言ってました。死を前にして実にポジティブな発想ですよね!

 ここまできたら、「~てみる」の様々な派生形にも簡単に触れます。

 ~てみてください
 ~てみたほうがいい(強めのアドバイス)
 ~てみたらどうですか?(弱めのアドバイス)
 ~てみよう(意向形)

 ここで、学生一人を指名して「私の名前を書いてみて」と言います。黒板まで来て名前を書くんですが、私の名前には「龍」という中国人にとって非常に難しい漢字があるのでいつも頭を悩ませます。ちゃんと書けたかどうかを判定した後は「私の名前を書いてみて」の「みて」に注目させましょう。この「みて」は、果たしてちゃんと書けるかどうかを試すという意味です。このように実践すると分かりやすいですね。

 そしたら、この教案の本番。
 「~してみたらどう?」という文法を使って、先生に何かアドバイスをください!

 この教案は今学期最も盛り上がった授業となりました。笑い過ぎて正直疲れてしまうほどです。
 学生からは、いろんなアドバイスが飛んできました。例文とは違い、これら学生が本当に考えてくれたアドバイスです。一つひとつの話を拾って会話を広げてあげましょう。盛り上げられるかどうかは、ちゃんと拾ってあげられるかにかかってます。

 ①先生、男と付き合ってみたらどう?
  質問した学生は腐女子です。いわゆる男性と男性の恋愛に非常に興味を持っている女の子です。ここから腐女子の話に脱線しました。

 ②先生、中国に定住してみたらどう?
  自分の定住に関する意見を言ったら、次は学生達に「日本に定住したいかどうか」を聞いて回りました。

 ③先生、私たちに日本料理を作ってあげてみたらどう?
  私が料理を作って学生に振る舞うことを希望していましたが、私が「みんなで作ろうよ!」と言った事が発端でみんなで料理することに。来月は冬至があるので、その時に2年生みんなで水餃子パーティをする約束にまで発展しちゃいました。

 ④先生、髪を短くしてみたらどう?
  最近髪を切ったのにも関わらず、さらに短くするようにアドバイスしてくれた学生もいました。日本人にとっては普通の長さでも、中国人にとっては長いと感じます。この認識の差は面白いところですよね。

 ⑤先生、学生と付き合ってみたらどう?
  これは言われた時ドキッとさせられましたね。もし日本ならまずクビになると思う。クビになりたくないなぁーと流しつつ、中国はどう?という返しをしました。中国では大学院は問題なく、大学はグレーゾーンだそうです。いずれにしても教師のモラルの問題が問われますから、信頼関係のためにも、少なくとも在学中はダメだと思うよと言いました。こういった恋愛関係の話はどのクラスでも関係なく盛り上がります。

 等々。

 これらを聞くのはかなり緊張させられましたが、結果とても充実した授業となりました。このような自虐的な授業は初めてしたんですが、こういう方法もあるんだなあと、何か一つ成長した気がしますね。
 この教案だと1年生の語彙力ではやや難しいと思うので、2年生まで待って正解でした。是非ご参考に。