日本語教育能力検定試験, 平成25年度

1番

 問1
 この学習者は「好きくないです」「好きくありません」「じょうずくないです」などと、ナ形容詞の否定形にイ形容詞のルールを用いています。

 したがって問1の答えはcです。

 
 問2
 上記のような学習者の誤りに対して教師は「え?好きですか?」や「え?料理はどうですか?」のように聞き返して、自己訂正を促しています。

 したがって問2の答えはdです。

 

2番

 問1
 ディクトグロスとは、4技能を組み合わせて個人学習とピア・ラーニングが行える統合的な学習法のことです。まず文法構造が多少複雑な短めのまとまった文章を数回読み、学習者はそのキーワードを聞き取ってメモし、そのメモをもとに各自元の文章の復元を試みます。次にペアやグループで復元していき、文章を完成させていきます。

 シャドーイングとは、文字を見ずに音声を聞きながら、その音声よりも少し遅れて言葉を繰り返していく練習法です。音素的な表記から決定することができない、イントネーションやプロミネンス、リズムなどのプロソディの習得に有効です。

 リピーティングとは、言い終わった後に同じ内容をリピートすることです。

 ディクテーションとは、再生したCDや教師が読み上げる音声を聞き取り文字化していく聞き取りの活動です。

 したがって問1の答えはbです。

 
 問2
 「東日本」を「ひかしにほん」と言ったり、「関東」を「かんどう」と言ったり、有声音・無声音の混同が見られます。

 したがって問2の答えはbです。

 

3番

 問1
 この教育実習生は、「ババ抜きをしまーす」や「カードくばりまーす」のように、文末を引き伸ばしています。また、「カード」は本来発音は頭高型なのですが、ここではアクセントの平板化で尾高型となっています。さらに、「捨てれません」に見られるように、ら抜き言葉も用いています。
 一方、助詞の卓立(プロミネンス)は見られません。

 したがって問1の答えはaです。

 問2
 教育実習生が「数が一緒だったら捨てる感じでお願いしまーす」と言いましたが、これに対して留学生は「捨てるとき、漢字で書きますか?」と質問しています。「感じ」と「漢字」は同音異義語ですので、ここで誤解が発生しています。

 したがって問2の答えはcです。

 

日本語教育能力検定試験, 平成25年度

 調音点や調音法については母音と子音の分類とIPA表記を参考にしてください。
 

1番

 「い」が「に」になる誤りです。
 「に」は[ɲ]有声歯茎硬口蓋鼻音なので、舌が歯茎硬口蓋に触れ、鼻腔への通路が開いている状態で発音します。

 したがって答えはaです。

 

2番

 「つ」が「す」になる誤りです。
 「す」は[s]無声歯茎摩擦音なので、舌が歯茎に触れずに接近して発音します。

 したがって答えはcです。

 

3番

 「ふ」が「ぶ」になる誤りです。
 「ぶ」は[b]有声両唇破裂音なので、両唇が触れて閉鎖を作っているaとbに絞られますが、aは鼻腔への通路が開いているため誤りです。

 したがって答えはbです。

 

4番

 「え」が「い」になる誤りです。
 「い」は[i]非円唇前舌高母音、「え」は[e]非円唇前舌半狭母音なので、舌の高さが違います。

 したがって答えはaです。

 

5番

 「ド」が「ドゥ」になる誤りです。これらは母音が異なります。
 「ド」の母音は「お」なので[o]円唇後舌半狭母音。「ドゥ」の母音は「う」なので[ɯ]非円唇後舌狭母音。
 唇の丸めと舌の高さが異なります。 

 したがって答えはdです。

 

6番

 「が」が「あ」になる誤りです。子音[g]が脱落しています。
 したがって答えはcです。

 

7番

 「な」が「ら」になる誤りです。
 「な」は[n]有声歯茎鼻音、「ら」は[ɾ]有声歯茎弾き音なので、調音法だけが異なります。

 したがって答えはbです。

 

8番

 「ず」が「つ」になる誤りです。
 「ず」は[dz]有声歯茎破擦音、「つ」は[ts]無声歯茎破擦音なので、声帯振動しなくなっています。

 したがって答えはbです。

 

日本語教育能力検定試験, 平成25年度

拍の長さ 日本語では、平仮名1文字が1拍に相当します。ただし拗音は直前の音に結び付いて1拍となります。
プロミネンス 発話の中の特定の部分を他の部分よりも強調して言うことです。
アクセントの
下がり目
アクセントとは、個々の語について、習慣的に決まっている発音の相対的な高さや強さのことです。日本語は高低アクセントで、核(下がり目)のない平板式と、核のある起伏式に分けられます。
イントネーション 抑揚のことです。疑問文の「~か?⤴」は上昇調、「そうですか⤵」の「か」は下降調です。

 

1番

 「じゅうどうぶ」が「じゅどうぶ」となる誤りです。拍の長さが変わっています。
 したがって答えはaです。

 

2番

 どこに行ってきたという問いに対して、「友達と」を強調しています。「渋谷に行きました」を強調すべきです。これはプロミネンスの誤りです。
 したがって答えはbです。

 

3番

 「何を食べましたか?」に対して「魚の照り焼き」を強調しているのは正しいですが、この部分のアクセントがおかしくなっています。
 したがって答えはcです。

 

4番

 「おんなのこ」が「おなのこ」になる誤りです。撥音が抜け、拍の長さが変わっています。
 したがって答えはaです。

 

5番

 「これは何ですか?⤴」と上昇調になるべきですが、そうではありません。
 したがって答えはcです。

 

6番

 「頂けませんか」を強調すべきですが、「ちょっと待って」を強調しています。
 また、「頂けませんか?⤴」と上昇調のイントネーションにすべきですが、そうではありません。
 したがって答えはdです。