日本語教師のお仕事

 この夏休みに授業構成を大きく変更しないといけないかなと思ってます。主任の意向に沿った内容を取り入れなければいけません。それに伴って来学期以降は授業のカリキュラムも変わります。

 新しく3年後期の授業が新設されました。これによってスピーチや弁論に特に力を入れる必要が出てきました。

 1年前期 基礎文法
 1年後期 初級文法
 2年前期 ディスカッション
 2年後期 ディベート
 3年前期 ディベート
 3年後期 未定

 今まではこうしてました。でもディスカッションは対立構造を作り出しにくいのであまり盛り上がらないので別のに変えたいと思っています。
 一方ディベートはかなり盛り上がります。テーマさえあれば1年ずっとやってもいいと思っているくらいです。

 問題は2点。

 1.ディスカッションを無くすとして、初級文法から次すぐディベートというのはハードルが高いので、やはり何か敷居のあまり高くない、かつ発話を多く促せるような内容を考え出さないといけない。

 2.主任の強い要望でもあるスピーチをどのように授業に組み込み、まだどのように指導していくか。2年生から始めるのが妥当だと思うが、その場合ディベートとどのようにすみ分けしていくか。

 
 ディベートっていうのは私が今までやってきた中で最高の授業です。
 私の発話は授業冒頭にテーマを与えるときのみに限り、あとはほとんど学生の発話を促せます。これは”会話”の授業の理想形ですから切り捨てるわけにはいきません。

 現実問題、これら全部やろうと思えばやっぱり授業のコマ自体増やすしかないと思いますが、それは主任によると単位の話と関係してくるので難しいそうです。
 限られた時間の中でディベートもスピーチもという選択はどっちつかずになってしまう恐れもあってやりたくないのですが、この辺りどうバランス取ればいいのか悩みの種です。
 

日本語教師のお仕事

 この夏休みから新しく始めたいことがあります。それは夏休み中の会話です!
 スピーチコンテストが終わった後にいろいろ考えた末、こうすることに決めました。

 やることは決めましたが、今はまだどのような方法でやるかなど具体的なことはまとまっていません。
 しかしながら休み返上でやる価値は必ずあるはずだと確信しています。

 ただしこれは全ての人に告知して募集するわけではありません。
 一部の成績優秀な学生だけを対象に声をかけて、やりたいかどうかを聞きます。
 やりたいと言った場合は真剣に、これまでの会話とは一味違った内容で新学期までやるつもりです。

 そこで今日は2年生のある女の子に声をかけました。
 おそらく次、来年のスピーチコンテストでこの学校代表になるであろう学生です。
 「とりあえずこの話は持ち帰って、じっくり考えてみて」と言ったにもかかわらず、二つ返事で「やりたいです」と頂きました。
 やはり彼女を選んで正解だったようです。

 とりあえず今は7月初旬のJLPTに集中してもらい、詳しい話はそれから話すからと伝えて分かれました。
 彼女と夏休みの特訓をすることはもう決まりましたので、あとは私が準備をするだけです。

 
 前にも書きましたが、こんな方法は学生に対して極めて不公平、不平等です。
 しかし私のこの3年やってきたことは平等過ぎて、優秀な学生は伸びにくくなっていました。
 これは少なくとも是正しなければならない点で、そのためなら贔屓だと言われてもいいと今は考えています。

 なりふり構ってはいられない。
 これが、今私がこの学校ですべきことに違いないです。

日本語教師のお仕事

 「私たちは冗談を言っています。」

 2年生が書いた作文の一節。
 2人は冗談を言えるくらい仲が良いことを表していると思われます。
 文法は別に問題ないけど、ちょっとネイティブはこんなこと言わないかなあというくらいですね。

 こういうときは普通どう言えばいいでしょう?
 実は便利でより親密に感じられる文法があります!

 まず黒板に「私たちは冗談を言っています」と書いて、このどこが変?と学生に聞いてみました。
 もし分かったらN2は合格だねと煽ったところ、必死に考えてくれました。でも結局答えは出ませんでしたけどね。

 というわけで分かりやすく寸劇入れました。

 一人男の学生を教壇まで呼んで、私がその人の肩などを殴る動作を見せます。
 「私は何をしていますか?」
 学生は「先生は◯◯を殴ります。」と答えます。

 その後、彼に私の肩を殴ってもらいます。このとき私が殴られると同時に私も彼を殴ります。
 つまりお互いがお互いを殴ります。

 ここでも「私たちは何をしていますか?」と聞きました。
 学生は一瞬の沈黙、そして出てきた答えは「お互いに殴ります」でした。

 まあこれでも良いんですが、もっと便利な文法ありますよ!と展開。
 「私たちは殴り合っています」

 動詞のます形に「~合う」を接続することで互いが互いに向かって同じ動作をすることを表現できます。
 ここまで話すとなるほど~!みたいな感じになるので、一番最初の問題に戻りましょう。

 「”私たちは冗談を言っています”のどこが変ですか?」
 察しがいい学生だとすぐ分かります。これは「私たちは冗談を言い合う」ですね。
 主語が私たちで複数ですから発生した言い方です。

 
 他にもこんな言い方があります。
 食べさせ合う/話し合う/助け合う/愛し合う/分かり合う/尊敬し合う/言い合う/罵り合う/笑い合う/プレゼントし合う/付き合う…
 なお、話し合うは相談の、言い合うは口論・喧嘩の意味合いもあります。

 
 だいたい3分くらいの寸劇でした!
 こういうのって視覚的にも体系的にも学べるのでいいと思います。
 その後学生によって訂正された作文では「~合う」の使用率が高まりましてほっと一安心です。