1年生後期会話

 1年生の「~てもいい」の授業です。
 この授業をするにあたって、先々週「~てはいけません」の授業をしておきました。「~てもいいですか?」と聞かれたら「~てもいいです(いいです)」あるいは「~てはいけません(ダメです)」の2種類で答えることになりますね。この2つは対の文法ですので、一緒に勉強するか、時間が経ってしまわないうちに勉強するかしておきたいところです。

 意味は許可です。他にも譲歩、妥協などがありますが、「~できる」「可能」の意味はありません。この点はよく中国人が間違える点だと感じてます。具体的には、ある学生が「今は無料でバスに乗ってもいいです。」と例文を作ってくれました。この街ではここ数ヶ月ずっとバスが無料という状態が続いていますので、この例文を作ったのだと思います。しかしこの言い方は正しくありません。
 「可以」は「~てもいい」の意味もありますが、他にも「できる」「可能」の意味もあります。しかし日本語の「~てもいい」には「できる」「可能」の意味がありません。この場合は「今は無料でバスに乗ることができます。(乗れます)」が正しい言い方になります。

 まずは接続の確認。「~てもいい」の前には動て形、い形容詞て形、名詞が接続できます。
 ・ここに座ってもいいですか?
 ・値段は高くてもいいです。
 ・明日でもいいですよ。

 動詞て形は変化が複雑なのでしつこく何度も復習します。
 い形容詞て形は比較的簡単。い形なら「語幹+くて」
 な形容詞と名詞はそのまま接続します。

 【練習1】
 授業中、〇〇くんはトイレに行きたい。何と言いますか?
 「先生! トイレに行ってもいいですか?」
 黙っていくわけにもいきませんから、このタイミングでトイレへの生き方を教えました。実際はここから漏らした過去の話に発展して少々汚い話題になりましたが、それもまた面白かったです。

 このタイミングで「~てもいいですか?」に対する回答を学びましょう。
 Yesなら「~てもいいです(いいです)」
 Noなら「~てはいけません(ダメです/嫌です)」

 【練習2】
 ペンがありません。(あるいはインクが突然出なくなりました。)隣の人にお願いしてペンがほしい。何と言いますか?
 「ペンを借りてもいいですか?」
 本来は低姿勢で「ペンを貸してください」と言うべきなんですが、細かなニュアンスには触れません。隣の人は友達ですから、借りてもいい?でも十分問題ありません。

 【練習3】
 具合が悪い。風邪を引いて熱があるから、授業を休みたい。先生に何と言いますか?
 「(熱があります)授業を休んでもいいですか?」

 

 ここで用意しておいたとっておきの教材の出番! 実物だと小さくてみんな見れないので、プロジェクターかなんかで運転免許証の裏側を見せます。裏側には臓器提供に関する意思表示をする欄があります。写真は私のもので、去年なんとなくサインしておきました。

 以下の部分を使用して臓器提供に関する意思を表示することができます(記入は自由です。)。記入する場合は、1から3までのいずれかの番号を〇で囲んでください。
 1.私は、脳死後及び心臓が停止した死後のいずれでも、移植のために臓器を提供します。
 2.私は、心臓が停止した死後に限り、移植のために臓器を提供します。
 3.私は、臓器を提供しません。
 (1又は2を選んだ方で、提供したくない臓器があれば、×をつけてください。)
 【心臓・肺・肝臓・腎臓・膵臓・小腸・眼球】
 

 中国の免許証にはこのような記入欄はありませんので、このようなものは珍しく映ります。
 「私は死後、臓器提供してもいいです。」

 この後はみんなに「死後、臓器提供してもいいですか?」と聞いていきましょう!
 今日のクラスでは6割がいいですと回答しました。本人が良いですと言っても、きっとご両親としては嫌な人もいるかもしれません。でも「人々を助けるため」と言う学生もいて感動しました。
 一方嫌だと答えた人たちからは色んな理由が聞けましたね。私のものだからとか、純粋に嫌だからとか。どちらが良いというわけではないので、ここは中立に努めます。

 

 最後にもう一度復習。
 喫煙所のマーク、駐車禁止のマーク、駐輪場のマーク、あるいは道路標識なんかの写真を見せて、「ここは~してもいいです。」「ここは~してはいけません。」と次々言ってもらって練習します。特に車椅子マークがある駐車エリアとか、電車内の通話禁止マーク等々。日本の場合、電車内やバス内では他人の迷惑を考えて通話しないほうがいいとされています。この点を教えたら驚かれましたね。中国では基本的に自由ですから。

 最後に「みんなで写真を撮ってもいいですか?」と聞きます。
 いいです、嫌ですという声があったんですが、いいですが大半だったんで本当に教室から出て写真を撮りました! まあ嫌だと言っても無理やり連れて行くつもりでしたけどね。大学構内の小さい公園まで行って記念撮影。これで今回の授業は終わりです!

 なんか良い授業だったなー 教案の改善点はあるんだけど、最後の記念撮影でうまく誤魔化せた感じがする!

1年生後期会話

 1年生「~なければなりません」の授業。義務や絶対必要といった意味で、主に法律や規則などに縛られた環境下、あるいは目上の者が下の者に対して使います。

 敬体ならたぶん「~なくてはなりません」「~なければいけません」「~ないといけません」の3つで、常体なら「~なければならない」「~なくてはならない」「~なければいけない」「~ないといけない」という具合に、本当に様々な言い方があります。いずれも意味は同じですが、書き言葉と口語の違いがあって、最も砕けた言い方は「~ないといけない」です。
 省略形で「~ないと」があります。また、音便化して「~なきゃ」「~なけりゃ」となります。

 混乱を回避するためにこれら全部を教える必要はないと思います。教科書では「~なければなりません」が中心ですから、これともう一つ、口語の「~ないといけない」を学ぶだけで十分かもしれません。

 ちなみに、「~なければなりません」は初級で学ぶ文法の中では群を抜いて舌が回らない日本語だと思いますので、まずは口慣らしから始めましょう。

 まず「なければなりません」と読んでみせて、一緒に発音してもらいます。数回繰り返してみます。みんな同時に発音するので正しく聞こえますが、場合によっては数人に言ってもらうといいかもしれません。徐々に早くしていったら盛り上がるかも。

 その後は接続。ない形の確認です。

 基本形 → 否定形 → ない形 → ~なければなりません
 書く → 書かない → 書か → 書かなければなりません
 食べる → 食べない → 食べ → 食べなければなりません
 する → しない → し → しなければなりません
 来る → 来ない → 来 → 来なければなりません

 基本形から順番に練習していくといいでしょう。
 滑舌の練習で「承る」のような字数の多い動詞を使って練習してみたりもしました。こちらは「うけたまわらなければなりません」となるので結構ウケましたね。正直日本人でも言う機会がない言葉で慣れてないし、私なんか綺麗に言えません。先生が噛んだりするとまた笑ってくれますからね。

 【練習1】
 教壇に一人学生を呼んで、あらかじめ用意しておいたお金を使ってシチュエーションを作ります。
 「Aさんは今お金がありません。だから、お腹がすいています。食べ物もありません。Aさんは先生にお願いします。”お金をください。” 私はAさんにお金を貸します。Aさんは何をしなければなりませんか?」
 こんな感じで十分伝わりました。答えは「お金を返さなければなりません。」

 【練習2】
 風邪を引きました。熱があります。何をしなければなりませんか?
 ・薬を飲まなければなりません
 ・お湯を飲まなければなりません
 ・休まなければなりません
 ・病院に行かなければなりません …

 【練習3】
 もうすぐ清明節の3連休。家に帰る人に挙手させて、帰る前に何か準備することはありますか? 何をしなければなりませんか? と聞きます。これはあんまり反応が良くなかったですね。別の練習内容を考えた方がいいかもしれません。
 ・切符を買わなければなりません
 ・荷物を整理しなければなりません
 ・計画しなければなりません …

 そしたら今日のテーマ。
 「大人は何をしなければなりませんか?」
 大人がするべき義務、大人とはどうあるべきかを問う問題です。いつものように一人ひとりに例文を考えてもらいました。最初は難しそうな顔をしていたんですが、いざ回答してもらうと上出来! 簡単すぎず、難しすぎず、いいテーマだったと思います。
 ・自分で決めなければなりません
 ・お金を稼がなければなりません
 ・仕事をしなければなりません
 ・結婚しなければなりません
 ・一生懸命働かなければなりません
 ・老人を扶養しなければなりません(養わなければなりません)
 ・家族を世話しなければなりません
 ・料理を作らなければなりません

 「結婚しなければなりません」というのはやや不適切な感じがしますね。でも学生も冗談半分で言ってるケースもありえますし、言った瞬間教室中「え~っ!」と反応しましたから、みんなも言わなくても分かってたと思います。こうやって意図的に違和感ある日本語をぶっこめる学生はまさにクラスの太陽ですよね。

 時間があれば「子供は何をしなければなりませんか?」と派生してもいいです。
 以上、今回は「~なければなりません」でした。

1年生後期会話

 今日は1年生に「~してはいけません」を教えました。意味は禁止で、その前に動て形が接続されます。前学期別の先生の授業で既に勉強してますが、使う場面が多い文法なので再度私の授業でもやることにしました。て形の複雑な変化の復習にもなりますからね。

 まずは動詞の基本形からて形への変換を練習します。好きに動詞を言わせて、そのて形も言わせる。全員やれば多くのパターンのて形を復習できると思います。

 そしたら、て形と「してはいけません」の接続の練習。
 「書く」→「書いて」→「書いてはいけません」
 「する」→「して」→「してはいけません」
 「死ぬ」→「死んで」→「死んではいけません」
 こんな感じです。

 ここからが「~してはいけません」の本編。用意した練習問題は3つ。

 「図書館で、何をしてはいけませんか?」
 考えなくてもすぐ分かることがいくつかありますね。1年生の反応も速かったです。例えば、話してはいけません。食べてはいけません等々。5つくらい挙げてもらいました。4つ目にはもう考え付かなかったのか、タバコを吸ってはいけませんとか、バスケをしてはいけませんとか、もはや図書館と全く関係ないことを言い出してみんな爆笑。私もちょっと立っていられないくらい腹抱えて笑ってましたね~

 「寮で、何をしてはいけませんか?」
 図書館よりも少し難易度が高め。料理をしてはいけません、ドライヤーを使ってはいけません、バスケをしてはいけません等々でした。もうここでもバスケが出ている時点で、学生達もツボにはまっていたんですね。

 「試験中、何をしてはいけませんか?」
 ・話してはいけません。
 ・携帯を使ってはいけません。
 ・ダンスしてはいけません。
 ・他人の答案を見てはいけません。

 特にカンニングの話の時はすごかったです。先々週勉強した「~したことがありますか?」が役に立ちました。あるかどうか聞いてみたら、80%くらいの人がカンニングしたことがあると挙手。ちょっと方法を聞いてみたら、カンペ用意したり、手に書いたりと、やっぱり国は違ってもやる方法は同じでした。堂々と携帯を机に置いて見たりする豪快な女の子もいました。本当はダメなことなんですが、ダメだよ!って強く怒らないほうがいいですよね。教室の雰囲気のために。

 そして今回のテーマは「家の中の教育」
 お父さんお母さんからの教育で「~してはいけません」というものがあるかどうか。理由も付け足すよう促しました。

 ・夜8時から出かけてはいけません。
 ・嘘をついてはいけません。
 ・お酒を飲んではいけません。
 ・恋愛してはいけません。
 ・一人で遠い所へ行ってはいけません。
 ・パソコンのゲームをしてはいけません。
 ・食事の時、テレビを見て(話して)いけません。
 ・テレビドラマを見てはいけません。
 ・喧嘩をしてはいけません。
 ・入れ墨を入れてはいけません
 …
 女の子一人ですから、夜は危ないですね。
 恋愛やゲーム、テレビを見てはいけない理由はいずれも勉強のためでした。
 お酒を飲んではいけませんと教育されながらもお父さんは飲んでいたり、面白い家庭環境の学生もいました。
 
 これで2時間ピッタリ。
 改善の余地はまだちょっとありそう。今は思いつかないけど。