教案, 三年前期 日本経済

 今日は15回目ということで、最後の経済の授業でした。
 前回学生から最後はゲームをやりたいとの要望がありましたので、私はこの1週間超準備をしました。

 まずはB5サイズのホワイトボードを8枚と、それに対応するペンを用意しました。
 そして優勝者への豪華賞品として、高級チョコも自費で用意。
 せっかくクイズをやるからにはやっぱり賞品がないとやる気を引き出せないと思って、直前に購入しました。
 このチョコが今日現在日本円で1800円近くするものです!

 そしてパワポで18問の世界の経済や地理に関する問題を作成。
 かなりの気合の入れようです。

 授業冒頭、まずは近くの人でグループを組ませます。
 2人ないし3人くらいとし、それぞれにホワイトボードとペンを配ります。

 まずは練習問題として「2017年現在、日本の消費税率は何%?」と出題しました。
 その答えをホワイトボードに大きく買いて回答します。全員同時にです。

 正解したグループには1点。
 あらかじめグループにA~Hまでの識別番号を振っておきましたので、これに従って黒板で得点計算をします。
 ポイントが入ったグループには正の字を書き足していく方式です。

 ここから本番。
 用意した問題は18問です。18問終了後に点数が最も高いグループに豪華賞品プレゼント。
 ここから1時間半、教師をしてきた中で一番の盛り上がりです。私の声が通らないくらいの歓声でした。

 
 17問目が終わり、ラスト1問。
 この時点で優勝争いのグループは2組だったのですが、別のグループには既にチャンスが無くなっていました。
 そのまま通常通り進行してもよかったのですが、特別ルールで最後正解したグループには10ポイント与えることにしました。
 日本のバラエティなどではよくある手法なのですが、どうやら学生のあの反応を見る限り中国ではこの特別ルールは浸透していない気がします。

 結果は優勝争いしてたグループが最後も正解! チョコをプレゼントしました。

 
 教室は異常な盛り上がりでした。やってよかったです。
 はじめは「パーセントファイト」を予定していたんですが、答えの差を引くというのが厄介で、ゲームの進行やテンポを悪くするかもしれない懸念がありました。
 結局正解あるいはもっと近い答えに得点を与えるシステムに変更しています。

 また、今回は日本経済の授業でしたので出題にこそ困りませんでしたが、これを会話の授業で行うのは難しいかもしれません。
 学生がちらっと「先生が言った言葉をホワイトボードに書く」と言ってましたが、そういう方向性でもしかしたら応用できるかもしれませんが…。

 いずれにしても大成功です。
 来学期もチャンスがあれば継続してやってみようと思います!

 以上、最後の日本経済の授業でした。

教案, 三年前期 日本経済

 今回はかなり力を入れて授業をしました。テーマは「貧困」です。

 本来のテーマは「一人当たりのGDPを高める」なんですが、お金持ちはどんどんお金持ちになっていき、貧乏人はどんどん貧乏人になっていく構図の中で、やはり貧困層に着目するべきだと思います。

 貧困層から脱出させるためにすべきこと。
 それがこの課の核となります。

 ➀貧乏な人の特徴は?
 数人のグループになって特徴を考えてもらいます。
 それを黒板に書いてもらいましょう。
 だいたい10分くらい考えました。

 ➁学力と世帯収入は正比例する。
 ここからはパワポを使います。
 一つひとつ根拠を提示していきます。

 ➂学歴と生涯賃金は正比例する。

 ➃貧困は遺伝する
 したがって貧困は親から子へ遺伝しやすいです。
 絶対ではありませんが、貧乏な人は親も貧乏であると言えます。

 ➄異時点間選択
 今1000元もらうか、明日1000元もらうか
 今1000元もらうか、一年後2000元もらうか
 などを考えていきます。
 今もらう人は時間選好率が高く、後にもらう人は低いです。

 ➅貯金額と時間選好率は反比例する。
 これも根拠を示し説明します。

 ➆社会的成功率と時間選好率は反比例する。
 有名な心理実験「マシュマロ実験」です。
 マシュマロ実験で長い時間食べず我慢できた子供は、その後の追跡調査で社会的成功しているケースが多かったという結果があります。

 ➇時間選好率が高いと貧困になりやすい
 つまり貧乏な人は時間選好率が高い傾向があると言えます。

 ➈貧困層をどうやって助ける?
 貧乏な人は貧困を遺伝で受け継いでいて、時間選好率が高い。
 このような人達をどのように助けるか。

 貧困層は学力も学歴も低い傾向がありますので、教育無償化というのは一つ現実的な策です。
 特に高校、大学の教育を指します。

 ➉余談
 アフリカ人への支援
 高校進学率、大学進学率
 政策の効用
 資本主義、共産主義、社会主義

 
 以上のような流れでした
 文字にすると分かりにくいのですが、一応来年のためにまとめておきました。

教案, 三年前期 日本経済

 今回は国の歳出・歳入構造について勉強します。
 大まかに言えば一般会計予算、国債発行額、対外債務、デフォルトについてです。
 2015年にデフォルト(債務不履行)したギリシャと比較して、日本の財政状況を学びます。

 また、今回は日本語学習者にも分かりやすくするために「国の借金」という言葉を用いています。
 厳密に言うと不適切な言葉ではありますが、今回は特別にイメージしやすくするためです。

 ➀国の終わり方
 まずは学生自身に考えてもらいます。
 国が終わる時はどんな時か。経済に限らず、あらゆる可能性を考えだして黒板に書いてもらいます。
 予想される答えとしては、

 ・赤字が続く
 ・自然災害
 ・戦争
 ・隕石…

 日本で言えば自然災害は大地震、津波、富士山の噴火などいろいろあります。
 ついでに首都機能移転計画についても話しました。

 ➁財布を例にとって解説
 国の終わり方のうち、経済に関係することに話を持っていきます。
 まず個人から。家計が赤字続きで金融機関からの借入も返済できない状況だと破産します。
 会社だと? 国だと? 

 人 …破産
 会社…倒産(破産)
 国 …財政破綻

 ➂日本の財布事情について
 用意した国の歳出・歳入構造.pptを使います。
 今年度の国家予算、国債発行額、世界で一番国債発行している国は?
 などなど順番に説明します。

 国債が分からない学生がいましたので、中国と日本を例にとって説明をしました。
 基本は人と銀行の間で行われる貸し借りと同じなので、これを関連させると分かりやすいと思います。

 ➃ギリシャ危機
 ↑で日本が2017年度に合計1000兆円を超える借金をしているということが分かりました。
 このあたりで日本は大丈夫?という空気が教室に漂います。
 ここで一つ問題を切り出します。
 「最近世界で財政破綻した国を知っていますか?

 2015年にデフォルトをしたギリシャです。
 知らない人もいるかと思いますので、ギリシャについても簡単に説明します。

 続いて、ギリシャの当時の財政状況について触れます。
 日本と同様多くの国債を発行しており、 対外債務のGDPに占める割合は1位の日本に次いで2位でした。
 ここで「IMF」と「デフォルト(債務不履行)」の説明です。

 ➄なぜ日本はデフォルトしない?
 日本もギリシャも対外債務のGDPに占める割合は世界トップです。
 ギリシャが財政破綻したということは、日本もするかもしれません。
 では、なぜ日本は今の今まで財政破綻しないのでしょう?
 これが今日一番問いたい問題となります。

 少し時間を与えて考えてもらいます。

 ➅日本国債は誰が買っている?
 日本国債のうち94%は日本国内の買い手によって買われています。
 残りの6%が海外です。

 またGDPに占める対外債務の割合は、2017年度日本は10.5%ほどです。
 (ちなみに中国は2016年6月時点で46.1%です。)
 これは世界の中でも極めて低いほうです。
 中には1000%を超える国もあり、これを見て分かるよう日本の海外への借金の割合はかなり少ないと言えます。

 ギリシャと日本は何が違うかと言うと自国通貨と外国の通貨の違いです。
 日本国債の返済は、相手が日本国内ならお金を刷って返せばいいだけです。
 これが日本がデフォルトしない理由ということになります。

 ➆インフレの危険は?
 刷って返すことは深刻なインフレを招くのではないかという学生からの質問がありました。
 マネーサプライ(通貨供給量)を見ますと、この一連の流れの中で影響を及ぼすような大きな変動はありません。

 ➇まとめ
 借金は多いですが、財政破綻をする可能性はほぼありません。
 ただ、この国債依存型の財政を改善するために税制改革などを行っていることをまとめとして終わります。

 
 学生は相変わらず興味津々で聞いてくれました。
 これは過去の授業の成果だと思います。
 しかしこの内容だと特に学生を巻き込んで授業をするという感じではなく、多くは私の一人語りとなってました。
 当初の方針とは違う教案になってしまったので、一部改善が必要かなと思ってます。

 来週はもうちょっとアクティブな授業をするよう工夫したいと思います。
 以上12回目の日本経済の授業でした。