教案, 二年後期 会話

 第12課のテーマは「セメンヤ選手はオリンピックに男性として参加すべき?女性として参加すべき?」です。

セメンヤは、800mを得意とする南アフリカの女子中距離選手である。2009年にベルリンで開催された世界選手権では、南アフリカ代表として800mで金メダルを獲得した。2012年ロンドンオリンピックの開会式では南アフリカ選手団の旗手を務めた。男性のような見た目から男性疑惑もあったが両性具有との診断が出た。国際陸上競技連盟は女性として記録を認めている
 
医学的検査の結果子宮と卵巣が無く体内に精巣があり、通常の女性の3倍以上のテストステロン(男性ホルモンの一種)を分泌していることが判明し、両性具有であることが分かったと報じられた。

 引用元:キャスター・セメンヤ – Wikipedia


 

男性として参加すべき派の意見

 ・男性と女性の運動能力は違う。
 ・この人の考えだけで性別を決めるのは、他の選手にとって不公平だ。
 ・この人の体力は男性の体力そのもの。
 ・男の特徴があり、これは現実。ただ自分の意見だけでは決められない。
 ・男性の特徴がより多くあると言える。
 ・その人の意思で性別を選んだ結果、他の人に影響がないなら認めることができるが、この場合はそうではない。
 ・男性ホルモンが多いので、男性だ。
 ・オリンピックにとって、男子競技の人は男性ホルモン優勢の人だ。
 ・女性として参加すると、オリンピックのルールを壊すかもしれない。
 ・記録が違いすぎる。
 ・女子競技では必ず勝てる。これは不公平だ。
 ・他国の利益を害する。
 ・オリンピックは性別ごとの世界記録、すなわち人類の限界への挑戦であり、誰もが女性と認める人がその記録を保持しなければ、それは女性の記録とは言えないのではないだろうか。

 

女性として参加すべき派の意見

 ・自分の心に従えばいい。
 ・メダルは重要ではなく、重要なことは人々が認めることだ。
 ・この人は不完全な男性だ。
 ・彼女は両性具有で、逆に言えば両性とも無い。なので我々は彼女の意思を認めるしかない。
 ・女性として参加すると他の女性に不公平だが、その逆もまた同じだ。
 ・性器によって性別は決められない。
 ・オリンピック精神によって彼女の参加は尊重されるべきだ。
 ・オリンピックは彼女の参加を一度認めている以上、議論の余地はない。
 ・両性具有であるという国際検査があるので、自分で決めるほうが良い。
 ・女性としての参加を認めることは、オリンピック精神に基づくものである。
 ・この人は男性として参加したことが過去一度もない。

 

まとめ

 両性具有者のオリンピック選手はどちらの性別として参加すべきかという問題ですが、この問題はかなり難しかったようです。
 このキャスター・セメンヤ選手は特殊な事例なので、まずはディベートの前にちゃんと説明をしなければいけませんでした。
 

教案, 二年後期 会話

 第15課のテーマはモラルジレンマ「奇跡の生還」です。

ジュリエッタの兄は,大地震の後5日目に,ビルの地下から救出される。
もともと持病のあった兄は衰弱しきっていたが,病院は治療を待つ人にあふれ,治療を受けることができない。
1ヶ月後,ジュリエッタは容体が悪化した兄を病院に運び,何百人もの長蛇の列をつくっている人々をすり抜け,とっさに嘘をつく。
「兄は35日ぶりに今日,がれきの下から救われたのです。どうかお助けください」
ジュリエッタの訴えを聞いた医者はこの奇跡に驚き,誰よりも先に兄の治療に取りかかった。
おかげで兄の容体は快復し,「奇跡の生還」としてニュースになるが,ジュリエッタは病院から姿を消し,行方不明になる。
 - 生徒が主体的に「考え,議論する」道徳科の実践的研究 ~モラルジレンマ授業を通して~より引用

 最後の授業ということでとびっきり難しいテーマで各々の道徳観を問います。
 ずばり「ジュリエッタ(弟)の行動に賛成?反対?

 学生への説明用にパワーポイントを作りました。こちらからダウンロードできます。


 

弟の行動に賛成派の意見

 ・この世は公平・公正ではない。
 ・チャンスがあれば、それを使うべきだ。
 ・誰を救うかは医者の自由であり、医者によって選ばれる。
 ・家族の愛だから当然だ。
 ・治療するかどうかは医者の判断だから、今回の弟の行動は関係ない。
 ・自分の弟や家族が死ぬことは誰にとっても望ましいことではない。
 ・両親と他人、普通どちらを助けるのか。
 ・法律上家族を助ける義務がある。(?)
 ・家族の命の前に理性など存在しない。
 ・他人と家族は一切関係がなく、チャンスというものは勝ち取るものである。
 ・集団の利益より個人の利益。
 ・命は誰しも1つしかない。
 ・中国では権力のある人が強く、例えばそういう人は病院でも並ぶ必要はなくなる。
 ・弟の発言は、それは権利であり権力である。

 

弟の行動に反対派の意見

 ・生命は公正でなければならない。
 ・他人が嫌だと思うことをしてはいけない。
 ・他人が嘘をついたことによって自分の家族が助けられなかったとき、あなたはどう思うのか。
 ・一人利己的な人がいるだけで秩序は崩壊し、皆利己的になってしまう。
 ・弟が死ぬことは当然嫌だが、社会にはルールがあり、それは誰しも守らなければならない。
 ・弟の行為は他人の命を犠牲にしている。
 ・多数の最大幸福こそ、法律・道徳の基礎である。
 ・このようなことをしたら、兄は今後生きていく中で恥ずかしいと思うかもしれない。
 ・人々は弟の行動を決して褒めない。
 ・お兄さんの考え方を尊重するべき。

 

まとめ

 今回初めて道徳観を問うテーマだったのですが、今までとは異なる白熱の仕方をしました。
 感情むき出しにして反論する様子もカッコよく見えますね。チャイムが鳴っても話し合いは止まりませんでした。
 このテーマは学期末に相応しいですね。

教案, 二年後期 会話

 第14課のテーマは「お年寄りと子供、どちらが大事?」です。


 

お年寄り派の意見

 ・老人は指導する役割がある
 ・心は穏やかで、経験も豊かだ
 ・老人には経験に裏付けされた能力がある
 ・老人なしに子はどこから生まれるのか
 ・社会に大きい影響を与えられる
 ・今の子は誰によって育てられたのか、それは老人たちのおかげである
 ・今や社会の重荷となっているが、人々はいずれ老人になるから大切にしなければならない
 ・子は社会的に弱い集団である
 ・伝統的なものは老人たちが継承してきた
 ・国のリーダーに若い人は少ない
 ・老人ホームは家庭の負担を減らす
 ・人は平等であり、老人も重要ではないか
 ・老人がいないと、温かい家庭はない
 ・木で喩えるなら老人は根、子は枝である
 ・統計によると70%以上の人々が老人の重要性を認めている
 ・老人のおかげで今がある

 

子供派の意見

 ・若者は体が強い
 ・思考は柔軟で、老人は硬い
 ・子は国の希望、そして未来である
 ・高齢化は今や社会の大問題となっている
 ・老人が重要というのであれば、なぜ国は高齢化を解決しようとしているのか
 ・日本では高齢者の票が多く、高齢者のために政治となっている
 ・老人は国の負担である
 ・老人は子を産めない
 ・子供が強くなれば、国も強くなる
 ・子供は社会の規模を表す
 ・現代では老人による迷惑行為が頻発している
 ・国は少子化問題に積極的に取り組んでいる
 ・老人は結局子供の世話になっている
 ・日本では子供は両親によって育てられるが、中国では祖父・祖母によって育てられる。このような状況では、子供は甘やかされて育てられる可能性が高い
 ・老人より子供のほうが重要と言っているだけで、決して軽視しているというわけではない
 ・国が高齢者にかけるお金に対して得られる効果はあまりない
 ・老人たちの知恵は子供へと受け継がれていく
 ・1人当たりのGDPを上げるためには、老人の存在は障害となっている
 ・子供は国のために必要だが、老人は死んでも国に影響はない

 

まとめ

 「今まで育ててきてくれたお年寄りに感謝しなければならない。だからお年寄りの方が大事だ。」という意見は素晴らしいです。このような意見は年配を大事にする中国の国民性を強く反映していると思います。