【第14課】貧困の連鎖と時間選好

 今回はかなり力を入れて授業をしました。テーマは「貧困」です。

 本来のテーマは「一人当たりのGDPを高める」なんですが、お金持ちはどんどんお金持ちになっていき、貧乏人はどんどん貧乏人になっていく構図の中で、やはり貧困層に着目するべきだと思います。

 貧困層から脱出させるためにすべきこと。
 それがこの課の核となります。

 ➀貧乏な人の特徴は?
 数人のグループになって特徴を考えてもらいます。
 それを黒板に書いてもらいましょう。
 だいたい10分くらい考えました。

 ➁学力と世帯収入は正比例する。
 ここからはパワポを使います。
 一つひとつ根拠を提示していきます。

 ➂学歴と生涯賃金は正比例する。

 ➃貧困は遺伝する
 したがって貧困は親から子へ遺伝しやすいです。
 絶対ではありませんが、貧乏な人は親も貧乏であると言えます。

 ➄異時点間選択
 今1000元もらうか、明日1000元もらうか
 今1000元もらうか、一年後2000元もらうか
 などを考えていきます。
 今もらう人は時間選好率が高く、後にもらう人は低いです。

 ➅貯金額と時間選好率は反比例する。
 これも根拠を示し説明します。

 ➆社会的成功率と時間選好率は反比例する。
 有名な心理実験「マシュマロ実験」です。
 マシュマロ実験で長い時間食べず我慢できた子供は、その後の追跡調査で社会的成功しているケースが多かったという結果があります。

 ➇時間選好率が高いと貧困になりやすい
 つまり貧乏な人は時間選好率が高い傾向があると言えます。

 ➈貧困層をどうやって助ける?
 貧乏な人は貧困を遺伝で受け継いでいて、時間選好率が高い。
 このような人達をどのように助けるか。

 貧困層は学力も学歴も低い傾向がありますので、教育無償化というのは一つ現実的な策です。
 特に高校、大学の教育を指します。

 ➉余談
 アフリカ人への支援
 高校進学率、大学進学率
 政策の効用
 資本主義、共産主義、社会主義

 
 以上のような流れでした
 文字にすると分かりにくいのですが、一応来年のためにまとめておきました。

【第12課】ぺティ=クラークの法則

 先々週の内容を書き忘れていたので、今更ですがまとめておきます。

 今回は12回目です。
 エンゲルの法則、ぺティ=クラークの法則、世界の食糧問題について触れます。

 ➀両親の仕事は何?
 学生一人ひとりに両親の仕事を聞いていきましょう。
 それを黒板に書いていくのですが、さりげなく産業別に分類して書きます。
 第1次、第2次、第3次です。

 ➁農業のイメージ
 3Kという言葉がよく使われているようですから紹介します。
 汚い、きつい、カッコ悪いです。
 中国の農業なんかにも触れながら話を広げていきます。

 ➂エンゲルの法則.ppt
 まずは学生の1ヶ月の食費、消費支出を頭の中で考えてもらいます。
 教室で言うのは抵抗があるかと思いますので、あくまで言わせません。

 そして「食費/消費支出×100」を計算してもらいます。
 値を聞いていきましょう。

 学生ですので80%近くの回答が多かったですが、中には30%という人もいました。かなりお金持ちって感じです。

 ここで用意したパワポを使います。
 実は計算したのはエンゲル係数です。
 このくらいのレベルなら言う前にとっくに気付いている学生も多かったですね。

 ➃エンゲルの法則
 エンゲル係数が低いほど、生活水準は高い。
 エンゲル係数が高いほど、生活水準は低い。
 一般的に20%~30%が富裕基準と言われています。

 日本は終戦直後は60%近くありましたが、2016年時点では25.8%。
 2016年中国は30.1%だそうです。

 しかし最近日本のエンゲル係数は再上昇してきました。
 なぜでしょう?
 1.食品価格の上昇
 2.収入が増えない

 ➄日本の産業構造.ppt
 パワポで日本の産業構造の変化について説明をします。
 外国とも比較をします。

 ➅なぜ1次から2次、3次へと移り変わる?
 経済発展を遂げるにつれて、どの国も1次、2次、3次へと産業構造が移り変わっていきます。
 これを「ぺティ=クラークの法則」と呼びますが、いったいどんな流れで移り変わるのかを学びます。

 ➆ぺティ=クラークの法則
 経済発展をすると食料の授業が相対的に低下(エンゲル係数低下)します。
 農業の成長率が低下し、これが農工間不均等発展となります。
 この過程で1次から2次、2次から3次へと移り変わるというわけです。

 ➇日本の食糧問題・農業問題
 2015年後の日本の人口は1億2400万人くらい。
 農業就業者数は209万人でした。
 したがって農業就業者比率は1.68%程度です。
 2017年現在だと200万人を切っています。

 ➈世界の食糧問題
 人口増加は避けられず、世界的食糧難になる可能性も高いわけで、そんな中世界はどのように変わっていくかです。
 今日本でも農業改革が行われていますが、第1次産業の復興が求められています。

 ➉余談
 食糧問題の話をすると、よく「昆虫食」の話もでてきます。
 これはついでに話してみたらかなりうけました。

 以上、今回は農業問題について触れました。

【第13課】日本の財政破綻の可能性

 今回は国の歳出・歳入構造について勉強します。
 大まかに言えば一般会計予算、国債発行額、対外債務、デフォルトについてです。
 2015年にデフォルト(債務不履行)したギリシャと比較して、日本の財政状況を学びます。

 また、今回は日本語学習者にも分かりやすくするために「国の借金」という言葉を用いています。
 厳密に言うと不適切な言葉ではありますが、今回は特別にイメージしやすくするためです。

 ➀国の終わり方
 まずは学生自身に考えてもらいます。
 国が終わる時はどんな時か。経済に限らず、あらゆる可能性を考えだして黒板に書いてもらいます。
 予想される答えとしては、

 ・赤字が続く
 ・自然災害
 ・戦争
 ・隕石…

 日本で言えば自然災害は大地震、津波、富士山の噴火などいろいろあります。
 ついでに首都機能移転計画についても話しました。

 ➁財布を例にとって解説
 国の終わり方のうち、経済に関係することに話を持っていきます。
 まず個人から。家計が赤字続きで金融機関からの借入も返済できない状況だと破産します。
 会社だと? 国だと? 

 人 …破産
 会社…倒産(破産)
 国 …財政破綻

 ➂日本の財布事情について
 用意した国の歳出・歳入構造.pptを使います。
 今年度の国家予算、国債発行額、世界で一番国債発行している国は?
 などなど順番に説明します。

 国債が分からない学生がいましたので、中国と日本を例にとって説明をしました。
 基本は人と銀行の間で行われる貸し借りと同じなので、これを関連させると分かりやすいと思います。

 ➃ギリシャ危機
 ↑で日本が2017年度に合計1000兆円を超える借金をしているということが分かりました。
 このあたりで日本は大丈夫?という空気が教室に漂います。
 ここで一つ問題を切り出します。
 「最近世界で財政破綻した国を知っていますか?

 2015年にデフォルトをしたギリシャです。
 知らない人もいるかと思いますので、ギリシャについても簡単に説明します。

 続いて、ギリシャの当時の財政状況について触れます。
 日本と同様多くの国債を発行しており、 対外債務のGDPに占める割合は1位の日本に次いで2位でした。
 ここで「IMF」と「デフォルト(債務不履行)」の説明です。

 ➄なぜ日本はデフォルトしない?
 日本もギリシャも対外債務のGDPに占める割合は世界トップです。
 ギリシャが財政破綻したということは、日本もするかもしれません。
 では、なぜ日本は今の今まで財政破綻しないのでしょう?
 これが今日一番問いたい問題となります。

 少し時間を与えて考えてもらいます。

 ➅日本国債は誰が買っている?
 日本国債のうち94%は日本国内の買い手によって買われています。
 残りの6%が海外です。

 またGDPに占める対外債務の割合は、2017年度日本は10.5%ほどです。
 (ちなみに中国は2016年6月時点で46.1%です。)
 これは世界の中でも極めて低いほうです。
 中には1000%を超える国もあり、これを見て分かるよう日本の海外への借金の割合はかなり少ないと言えます。

 ギリシャと日本は何が違うかと言うと自国通貨と外国の通貨の違いです。
 日本国債の返済は、相手が日本国内ならお金を刷って返せばいいだけです。
 これが日本がデフォルトしない理由ということになります。

 ➆インフレの危険は?
 刷って返すことは深刻なインフレを招くのではないかという学生からの質問がありました。
 マネーサプライ(通貨供給量)を見ますと、この一連の流れの中で影響を及ぼすような大きな変動はありません。

 ➇まとめ
 借金は多いですが、財政破綻をする可能性はほぼありません。
 ただ、この国債依存型の財政を改善するために税制改革などを行っていることをまとめとして終わります。

 
 学生は相変わらず興味津々で聞いてくれました。
 これは過去の授業の成果だと思います。
 しかしこの内容だと特に学生を巻き込んで授業をするという感じではなく、多くは私の一人語りとなってました。
 当初の方針とは違う教案になってしまったので、一部改善が必要かなと思ってます。

 来週はもうちょっとアクティブな授業をするよう工夫したいと思います。
 以上12回目の日本経済の授業でした。