スピーチと弁論

 3年生のスピーチと弁論の授業です。今回のテーマは「都市部と田舎はどっちが幸せ?」というテーマにしました。第一課の記事で大まかな討論のやり方を説明しましたが、今回はそれにちょっと修正を加えました。

 Aチームの意見⇒Bチームの意見⇒Aからの質問⇒Bからの質問⇒Aの回答⇒Bの回答⇒判定
 以前はこのような流れで行っていましたが、質問からすぐ回答に移るようにしました。
 Aチームの意見⇒Bチームの意見⇒Aからの質問⇒Bからの回答⇒Bからの質問⇒Aの回答⇒判定

 また、前回は私が司会をしていたのですが、今回から学生一人指名して司会をやらせました。これで私が授業内に発話することはほとんどなくなり、学生による討論の運営が可能になりました。

 さらに、意見を述べている最中にその意見を黒板に書かせる役割も作りましたので、チーム内ではほとんどの人が何かしらの仕事があるという状況にもなってます。

 というわけで今回の内容でしたが、かなり面白い内容になりました! 前回から口酸っぱく言っています「面白さ」を各チーム理解してくれて、奇想天外な意見や質問が飛び交ってました。その一部分を紹介します。なお、ここでいう都市部や田舎とはいわゆる中国のそれのことですから、日本の状況とは大きく異なります。

 【都市部派の意見】
 ・交通が便利。
 ・医療も発達している。
 ・教育が進んでいる。
 ・美しい建物や美味しい料理がある。
 ・都市部は若者に夢を与える。
 ・銀魂が上映する。
 ・ネットカフェがある。
 ・化粧している可愛い女の子がたくさんいる。
 ・ファッションの最先端を行く。
 ・田舎より都市部の方が治安がいい。
 ・公共施設、公衆設備が充実している。
 ・仕事の機会が多い。
 ・物質生活、文化生活が豊か
 ・自然災害が少ない。
 ・高学歴の人と付き合える。
 ・科学技術が発展している。
 ・個人の価値を十分に発揮できる。
 ・子供によりより成長を与えられる。
 ・田舎から都市部に来る人が多い。
 ・芸能関係の学校がある。
 ・素養が高い。

 【田舎派の意見】
 ・生活リズムはまったりしている。
 ・ストレスが少ない。
 ・長寿
 ・自然があって空気が新鮮。
 ・近所との関係がいい。
 ・人と自然が共存している。
 ・古くからの文化は主に田舎で守られている。
 ・水が綺麗。
 ・人がいい。
 ・毎日充実している。
 ・楽しく、楽に暮らせる。
 ・みな仕事をしたいと思って仕事をしている。
 ・単純(中国語では良い意味)
 ・動物が多い。
 ・老人が生き生きしている。
 ・子供の遊ぶ場が多い。
 ・子供の友人も多い。
 ・交通事故が少ない。
 ・犯罪率が低い。

 例によってピンクで書かれているのは笑いが起きた意見です。特に今銀魂の映画がちょうど中国でも上映されていて、私の学生の間ではかなりの人気です。田舎では映画館がないから銀魂を見られないという痛烈な皮肉ですね。

 【都市部派から田舎派への質問】
 ・田舎は医療が発達していないので、もし何か病気になった時に困ってしまうと思う。
 (回答)田舎は空気が綺麗なので病気になりにくい。
 ・工場の多くは田舎にある。
 ・ネットで買い物しても配達が家まで来ない。

 【田舎派から都市部派への質問】
 ・汚染があって死にやすい
 (回答)医療が発達しているから大丈夫だ。

 ・交通が便利というが、渋滞に捕まった時の時間は大きな損失ではないか。本も読むことができない。
 (回答)車を運転しているときにそもそも本を読む必要はない。

 ・都市部は物が溢れていて物質的な幸せがあるが、精神的な幸せはありますか?
 (回答)遊ぶところがたくさんある。

 ・都市部の生活リズムは速いので苦労がある。
 (回答)リズムが早いのは生活を楽しんでいるから。

 もう質問というよりは反論。次から次に出てくる反論が討論を白熱させました。白熱してくると中国語がでてくるんですが、そこも司会が客観的に「日本語でお願いします」となだめていたりして、3年生にはホントに頭が下がりますね。
 2グループの討論がありましたが、勝ちを都市部と田舎が1つずつ分け合う形になりました。もっと都市部に偏るかと思ったんですが、案外真っ二つだったのが驚きです。

スピーチと弁論

 1年前受け持っていたスピーチと弁論という授業が今学期もあり、昨日1回目の授業がありました。相変わらず3年生は元気で、その元気さに助けられている感じもありますね。昨年のやり方をそのままそっくりやってみいいんですが、せっかくなのでちょっとだけやり方を変えて今学期やってみようと思っています。

 クラスを4つのグループに分けます。それぞれABCDとし、まず最初にAとBが討論し合います。
 座席は上の写真のように机を動かしました。このような配置じゃないと討論の雰囲気が出ません。
 初回のテーマは「男と女、どっちが得か」としました。ちょうど2グループいますので、自分の意見に関わらず「男が得派」と「女が得派」に分けてそれぞれ意見を考えてもらいます。たいだい15分くらいでした。

 そしたらディベート開始。
 ①Aの意見
 ②Bの意見
 ③BからAに質問
 ④AからBに質問
 ⑤Aの回答
 ⑥Bの回答

 意見を述べる人、質問する人、回答する人は必ず違う人が行うことで発話の機会を増やしました。その他の人は発表者を助ける役割も担えますので無駄がなかったと思います。また、質問や回答をしなければならないことからちゃんと対立意見を聞く効果もあります。

 最後に判定です。C、Dグループの人たちは教室後ろ側で討論を聞いているのですが、どちらが「ユーモアがあったか」という基準で挙手による判定をしてもらいます。自分の意見ではなく、あくまで「面白さ」や「特別さ」を重視します。これによって討論しているグループからユーモアある意見を引き出すことが可能になります。
 これが終わったら、次はCとDグループの討論、AとBグループは審判。一つの授業の中で2回のディベートを行います。おおよそこのような流れで行いました。

 今回の討論内容を紹介します。

 【男が得派の意見】
 ・中国では現代においても男尊女卑の考え方があり、男が社会的に見ても有利だ。
 ・現代では男がメイクしたり女装したりでき、彼氏も作ることができる。
 ・理性的で、感情をコントロールできる。
 ・社会でリーダーシップを発揮できる。
 ・出産する必要がない。
 ・偉人は男性が多い。

 【女が得派の意見】
 ・子供を産むことができる。
 ・女性は子供を産むと精神的に強くなる。
 ・同年齢なら女性のほうがより大人。
 ・女は男装するとカッコいいけど、男が女装すると気持ち悪い。
 ・女の子同士で手を繋げる。
 ・中国では女性の人数が3000万人ほど少ないために、男性は彼女を作りにくい。
 ・結婚後に車や部屋を買わなければならないなどの制約が多い。
 ・服を楽しめる。
 ・注意深い。
 ・寿命が男性より長い。
 ・女性は男性や社会に守られている。
 ・女性が自殺が少ない。
 ・女性は世界的に男性より少ない。

 【女が得派への質問】
 ・女性しか子供を産むことができないというが、今後科学技術の進歩で男も妊娠できるようになるのではないか。
 ・子供ができたら男も責任感が増して精神的に強くなるはずだ。
 ・子供が生まれたら、育児等でめんどくさいことがある。
 ・化粧品などへの出費が多い。

 【男が得派への意見】
 ・女は常に冷静で、男は怒りやすい。心は小さいと思う。
 ・男が女装するのは一般的に変態だとみられている。
 ・男は喧嘩が多い。

 このような感じでした。さすが3年生ですね!! 結構論理的な討論ができているように思います。ピンクで書かれているのは大きな笑いが生まれた意見です。このディベートの重要なところはユーモアある意見を話すことですから、極端なことを言えば真面目な意見は言わないで、どれだけ変な事を言えるかにかかってます。今後何度も経験していくにつれて慣れてくるでしょう。
 

スピーチと弁論

 3年生前期は「スピーチと弁論」を受け持つことになりました。
 授業内の基本的な流れは以下です。

 1.学生によるプレゼン発表
 2.テーマを与えてグループで意見をまとめる
 3.ディベート開始
 4.結論

 1.学生によるプレゼン発表

 毎週2名、パワーポイントを使って発表してもらいます。
 テーマは自由とし、3分~5分程度を目安とします。
 適宜質問を投げ込んだりして準備してきたものから脱線させたりします。

 2.テーマを与えてグループで意見をまとめる

 プレゼンが終わったら、討論の雰囲気を出すためにまず席を移動させます。上の写真のようにです。
 討論形式ですので必ず二択となる絶対的な答えがないテーマを与えます。(例:死刑制度は必要か 等…)

 数分個人で考えてもらい、とりあえずYesかNoで分かれてもらいます。
 人数が綺麗に分かれなければ、数人移動させます。そしてそれをさらに2グループに分けます。
 クラスが20名なら、Yesが5人と5人、Noが5人と5人です。

 十分時間を与えてグループごとの意見を考えてもらいます。15分程度が目安。
 
 3.ディベート開始

 初回は教師自身が司会をしますが、2回目以降は学生に司会を任せます。
 司会進行の方法、テンプレートはあらかじめ教師が用意をしておくといいです。
 ディベートは2回行われるので、司会は2名必要です。

 まずはYes派5人とNo派5人のディベートです。

 ➀Yesの意見
 ➁Noの意見
 ➂No⇒Yesへの質問・回答・反論
 ➃Yes⇒Noへの質問・回答・反論
 ➄判定

 ➀➁ まずはそれぞれのグループからの意見を述べます。
 ➂➃ 相手の意見に対する質問をします。慣れないうちは質問に対して1度回答したら終わってしまいますが、慣れてきたら質問⇒回答⇒質問…と延々繰り返させていきます。教師側から上手に煽って誘導します。

 反論が出尽くしたところで、残る10名が「どちらのグループが良かったか」という基準で判定します。自分の意見にとらわれず、意見の質や反論の方法、面白さなどで客観的に判断させることが必要です。

 これをもう一つのグループでも行い、討論は計2回行います。

 4.結論

 2回目のディベートが終わったら、席を戻して結論です。
 教師側から今日のテーマに関する一言、討論中の学生の間違いなどをここで指摘します。
 こうすればよかったなどのアドバイスもあれば言います。

 討論が終わると学生はすぐ冷めるので、結論の段階は1分2分くらいで終わるのがいいかもしれません。