平成29年度, 日本語教育能力検定試験

問1 簡略化した言い方

 1 「になる」 ⇒ 「んなる」
   「やりなさい」 ⇒ 「やんなさい」
 2 「ては/では」 ⇒ 「ちゃ/じゃ」
 3 「ていく」 ⇒ 「てく」
   「ておく」 ⇒ 「とく」
 4 「分からない」 ⇒ 「分かんない」
   「そうなのです」 ⇒ 「そうなんです」

 したがって答えは2です。

 

問2 アコモデーション理論

 相手によって話し方が変わることをアコモデーションと言います。相手の言語能力によって話し方を変えるフォリナートーク、赤ちゃんに対する話し方のベビートーク、さらには世代間のギャップを無くそうとわざと若者言葉を使って年下の人々に受け入れられようとすることもアコモデーションの一種です。

 アコモデーション理論にはダイバージェンス(分岐)とコンバージェンス(収束)があります。
 ダイバージェンスは、自分の話し方を相手の話し方からできるだけ離していくことです。関西圏でも共通語を使おうとすることなどがこれにあたります。
 コンバージェンスとは、自分の話し方を相手の話し方にできるだけ近付けていくことです。上司が部下に受け入れられるために若者言葉を使ったりすることなどがこれにあたります。

 
 1 校長先生の小学生に対するアコモデーション
 2 アコモデーション理論のダイバージェンス(分岐)
 3 相手によって話し方が変わっているわけではなく、状況によって変わっています。
 4 アコモデーション理論のコンバージェンス(収束)

 したがって答えは3です。

 

問3 スピーチレベルシフト

 スピーチレベルシフトとは、1つの場面で1人の話者が普通体から丁寧体、あるいは丁寧体から普通体へと切り替えて丁寧さの度合いを変化させることです。

 1 相手や場面、話題に応じて言語を使い分けるコードスイッチングです。
 2 相手によって話し方が変わるアコモデーションです。
 3 相手や場面、話題に応じて言語を使い分けるコードスイッチングです。
 4 スピーチレベルシフトです。

 したがって答えは4です。

 

問4 フォリナートークとティーチャートーク

 ティーチャートークとは、教師が学習者に対してする話し方のことです。学習者のレベルによってその話し方は変わります。
 フォリナートークとは、母語話者が非母語話者に対してする話し方のことです。

 選択肢2の「非文法的な」とは、主にネイティブの間で用いられる非常に砕けた表現のことだと思われます。このような表現は教室で使われることはありませんが、教師ではない日本語母語話者が、非母語話者に使うことがあるかもしれません。

 したがって答えは2です。

 

問5 フォリナートークを減らすよう働きかける方策

 1 話し方を近づけられると、そのままフォリナートークを続けるはずです。
 2 話をずっと聞かれると、学習者が理解しているかが分からないのでもっと簡単な言葉を使うはずです。
 3 学習者が理解していることが分かれば、徐々に難しい言葉へと移行しやすくなります。
 4 英語の発音で言われると、逆にフォリナートークは増えると思います。

 したがって答えは3です。

平成29年度, 日本語教育能力検定試験

問1 公用語

 公用語とは、公の場での使用が定められている言語のことです。公的機関には公用語を用いる義務が課されています。一つの言語とは限りません。

 ちなみに選択肢2はピジン言語のことです。

 したがって答えは1です。

 

問2 現代仮名遣い

 選択肢1

オ列の長音は、オ列の仮名に「う」を添える。

 ⇒ 工事(こうじ)

次のような語は、オ列の仮名に「お」を添えて書く。

 ⇒ 氷(こおり)

 選択肢2

動詞の「いう(言)」は、「いう」と書く。

 選択肢3

次のような語は,エ列の長音として発音されるか,エイ,ケイなどのように発音されるかにかかわらず,エ列の仮名に「い」を添えて書く。
例 かれい せい(背)
かせいで(稼) まねいて(招) 春めいて
へい(塀) めい(銘) れい(例)
えいが(映画) とけい(時計) ていねい(丁寧)

 選択肢4

次のような語の中の「じ」「ず」は,漢字の音読みでもともと濁っているものであって,上記(1),(2)のいずれにもあたらず,「じ」「ず」を用いて書く。
例 じめん(地面) ぬのじ(布地)

 ⇒ 地震(じしん)

同音の連呼によって生じた「ぢ」「づ」
例 ちぢみ(縮) ちぢむ ちぢれる ちぢこまる

 参考:現代仮名遣い:文部科学省より引用

 したがって答えは1です。

 

問3 当用漢字表

 当用漢字は、公文書や出版物などに用いるべき範囲の漢字として告示されました。
 したがって答えは3です。

 

問4 訓令式ローマ字

 訓令式はsi/ti/tu/hu/zi/sya/tya/zya
 ヘボン式はshi/chi/tsu/fu/ji/sha/cha/ja

 したがって答えは1です。

 参考:訓令式ローマ字とヘボン式ローマ字の表記

 

問5 送り仮名の指導

 選択肢1
 複合語のうち、「申込」などの名詞は慣用に従って送り仮名を付けません。
 参考:文化庁 | 国語施策・日本語教育 | 国語施策情報 | 内閣告示・内閣訓令 | 送り仮名の付け方 | 本文 通則7

 選択肢2
 「終わる/終る」のように、読み間違えるおそれのない場合は送り仮名を省くことができます。
 参考:文化庁 | 国語施策・日本語教育 | 国語施策情報 | 内閣告示・内閣訓令 | 送り仮名の付け方 | 本文 通則2

 選択肢3
 「向う」は間違いです。「向かう」と表記します。
 参考:文化庁 | 国語施策・日本語教育 | 国語施策情報 | 内閣告示・内閣訓令 | 送り仮名の付け方 | 本文 通則2

 選択肢4
 「当たる/当る」のように、読み間違えるおそれのない場合は送り仮名を省くことができます。
 参考:文化庁 | 国語施策・日本語教育 | 国語施策情報 | 内閣告示・内閣訓令 | 送り仮名の付け方 | 本文 通則2

 したがって答えは3です。

 

平成29年度, 日本語教育能力検定試験

問1 アウトプット仮説

 アウトプット仮説とは、相手に理解してもらえるようなアウトプットをすることで言語習得が促されるとする理論です。スウェインによって提唱されました。

 したがって答えは3です。

 

問2 IRE/IRF型

 IRE/IRF型(IRF/IRE型)とは、教室における談話の基本構造のことです。教師による発話(Initiation)、学習者の応答(Response)、評価/フィードバック(Evaluation/Feedback)の順で談話が行われます。

 1 教師による発話 ⇒ 学習者の応答 ⇒ 学習者による確認
 2 教師による発話 ⇒ 学習者の応答 ⇒ 教師による発話
 3 教師による発話 ⇒ 学習者の応答 ⇒ 学習者による確認
 4 教師による発話 ⇒ 学習者の応答 ⇒ フィードバック/評価

 したがって答えは4です。

 

問3 グループワーク

 グループワークとは、ディスカッションやディベートなどのグループで行う活動のことです。

 1 非文法的なくだけた表現はあまり使われません。
 2 正しいです。
 3 正しいです。
 4 正しいです。

 したがって答えは1です。

 

問4 シミュレーション

 シミュレーションとは、ある架空の状況下で発生している何らかの問題を、学習者たちが調査や意見交換などをして解決していく現実的な活動のことです。

 したがって答えは1です。
 
 

問5 ジャーナル・アプローチ

 ジャーナル・アプローチとは、学習者が思っていることや問題点を自由に書くことで、本人にその原因などを気付かせる方法です。学習者が書いたものをジャーナルと呼び、それらを教師や援助者と共有することでフィードバックを受け取り、お互いの相互理解を深めることに用いられます。

 したがって答えは4です。