日本語コラム

 棋士升田幸三をご存じですか?
 終戦直後、升田先生がGHQに「将棋は人材を有効に活用する合理的なゲームである。」と語って将棋を存続させた話はとても有名な話です。
 
 将棋は取った駒を持ち駒として使うことができます。
 GHQはこれが「捕虜虐待の思想に繋がる」として将棋自体を禁止しようとしたのですが、升田先生はチェスのルールを引き合いに出して反論しました。

 ”現代に将棋という文化が残っているのは升田先生のおかげといってもいい” と話す人も少なくありません。

 一方今年の将棋ブームのおかげか、この間学生と将棋について話す機会がありました。
 彼は日本の侍や武士の精神の話をして、将棋にこのような苦言を呈していました。

 侍は主君に仕えて主君の為に命を捧げるものなのに、将棋の駒は寝返っている。
 侍の精神がなく、美しくない。

 升田先生の発言とは論点が違うので比較はできませんが、これについてどう考えますか?
 私は確かにそういう見方もあるんだなあと素直に感心させられました。
 これはまさに外国人だからこその視点だと思います。

 恥ずかしながら、実際そんなことを考えながら指したことがありませんでした…。

 ちなみに、優秀なプレイヤーは駒を有効に配置・活用できます。
 それはつまり駒に寝返る”隙”を与えず相手玉を詰ますこともできるということ。

 将棋用語ではよく「働きが悪い」とか「重い」とか言いますが、こういう指し手は駒に嫌われます。
 確かに駒はより優秀な主君に味方することのほうが多い気がしますね。
 
 とても面白い考え方でした。

日本語コラム

 日本語勉強するときには色んな教科書や参考書があります。
 ほとんどは本になるくらいですから非の打ち所はないんですけど、中にはなんじゃこりゃっていうのものあります。

 文法や単語が間違っているくらいなら可愛いもの。
 内容さえ良ければ、その程度の間違いはこっそり訂正して本棚行きです。

 しかしこの間、私はついに「悪魔の書」を発見してしまいました。

 本当に酷い本です。

 私の学生は実際この本を読みました。
 そしたらたちまち自分の発音に自信を無くし、発話するのが怖くなったと言っていました。

 自分は正しい発音ではないんだと思い込み、結局口数が減ったり、声が小さくなったり、悪い影響だらけです。

 この本は日本語の発音について詳しく書かれた本です。
 「日本人らしい発音・会話」を徹底的に学ぶことを目的としています。

 文法や単語に全く問題はないんですが、しかし読んだ人の発話意欲を大幅に削ぐ副作用が認められます。
 発音や会話が上手になりたいなら、まず発話自体を増やすことが重要じゃないんですか? 違いますか?
 
 私は著者さんに言いたい。

 日本人らしい発音って言いますけどね…

発話意欲を削いだらダメでしょ!!!

 みなさんも教科書選びは気を付けてください。
 

日本語コラム

 先日このサイトを見てくださっている方から面白いサイトを教えていただきました。
 そこには日本語の色の言い方が変だという内容が書かれており、私も調べてみたら確かにそうでした!
 日本人だと気付かないものですが、学習者にとっては「ふざけんな!」って気持ちになるのも分かります…。

 上の画像をご覧ください。
 ここにはよく使う13種類の色と、それに対応するい形容詞、名詞、な形容詞の言い方を書いています。
 直接的な形容詞の使い方を指す場合の表です。
 例えば服を買いに行ったときの「あの〇〇服をください。」という場面とかですね。

 「灰色な日々」とか「赤の広場」などの言い方もありますが、これは比喩的な使い方ですので除外しました。

 見れば見るほどげんなりする表です…。
 「赤」「青」「白」「黒」は「~い」と言えますが、黄色は「黄い」と言えません!

 そして名詞を見ても複雑ですね。
 「オレンジの」「緑の」「ピンクの」と直接「の」を接続する形もありますが、「水色の」「紫色の」「水色の」と「色」が必要になるものもあります。

 一方、な形容詞は存在しません。
 色と関係あると思って「透明」を用意しましたが、これだけです。
 科学技術が発達すれば、いつか「透明な服ください」と言える日も来るかもしれません。

 
 日本人なら意識せず使っていますが、やっぱり0から覚えるとなると難しいですよね。
 教える方も規則性がないので困ってしまいます。

 ちなみに「あの赤の服をください。」と言っても伝わりますが、これはやや不自然な日本語です。
 通常は「あの赤い服をください。」と言います。

 色の言い方はい形容詞が最も優先されるので注意してくださいね。