日本語コラム

 3年生の女の子が夏休み中に高校生へ日本語を教えていたそうです。まだこの間のN2に合格したばかりですが、教えていたレベルはJ-TESTのFレベルだそうなので大きな問題はなかったと言いますが。それでも日本語の細かいところを質問されると分からず、気まずくなってしまうという経験があったようです。

 さっきその女の子から「家から出る」と「家を出る」は何が違うのかと質問を受けました。確かによく考えてみると全然違いますね。格助詞一つでこうなると、教えるほうも苦労するのも分かります。

 まず格助詞「から」と「を」の違いですが、この場合はいずれも「出発点・起点」を表す意味として使われています。例えば「教室を出ないでください」「教室から出ないでください」。というわけで格助詞自体にも意味に違いがありませんから、日本語学習者がぱっと見ると違いは無いように見えてもおかしくありませんね。

 ただ注意しなければならないのは、「家を出る」は慣用句のように使われている点です。家から離れて、その後もう戻ってこないという意味で使われています。仕事かもしれませんし、親と喧嘩したのかもしれません。

 一方「家から出る」は家から離れますが、いずれ戻ってくるという意味で使われます。これは一般的な用法なので説明はいらないでしょう。

 余談ですが、「家出する」の場合もその後もう戻ってきません。さらに対象は必ず子供で、子供が家庭環境へ何かしらの不満があり、親に無断で家を離れるという状況が付属します。

 ネイティブでない方が教える時は、慣用句にだけは注意しなければいけませんね。

日本語コラム

 「草を禁じ得ない」という言葉。私さっき初めて見かけたんですが、調べたらtwitter上で1時間10ツイートくらいの頻度で使われているみたいです。最近「草」をこんな感じで応用するのが目立ってますね! 表現自体がもうすでに面白いからずるいと思いませんか?

 海外の方も見てくれているようですので、一応「草」について説明します。
 もともとネット上では笑っている様子を表現するために「笑」を使っていたんですが、さらに省略するためにこの頭文字を取って「w」が使われるようになりました。その後この「w」が草が生えている様子に見えるということで、転じて笑っている様子を「草」「草生える」と表現するようになったんです。ここから色んな言い回しがどんどん増えてきました。

 大爆笑の意である「草不回避」「大草原」をはじめ、ちょいとした文法に当て込み、笑えないことを意味する「草も生えない」や、笑いの程度が大きい事を強調している「死ぬほど草生える」などバリエーション豊か。

 「~を禁じ得ない」は感情に関する名詞に接続するので、笑いを表す「草」にも使う事ができます。当然ながら試験で使うと✕ですけど、ネットとかで使う分には問題ありません。これはネットスラングですので現実の会話において使われることは滅多にありませんので注意してください。

 さて、次はどんな新しい言葉が出てくるんでしょう。
 ちょっと考えたんですけど、「草めいてきた」とかどうですかね?

日本語コラム

 初級の難し目なところ、動て形の活用。
 て形を覚えれば、て形を使う文法の導入ができるようになります。

 て形を使う文法は「~てください」「~てもいいですか」「~てはいけません」「~ています」「~ておく」「~てみる」などなど、とにかく有用なものばっかりです。

動て形

一段動詞

 一段動詞の活用は簡単。
 辞書形の語尾「る」を「て」に変えるだけでいいです。

 食べ → 食べ
 寝 → 寝
 見 → 見
 い → い
 

カ変/サ変動詞

 来る(くる) → 来て(きて)
 する → して

 「くる」を「くて」と間違ってしまう人が多いので注意してください。
 

五段動詞

 最も複雑を極める五段動詞のて形です。
 大きく4つに分類されますが、例外も1つあります。

 語尾が「く」「ぐ」で終わるものは、「いて」「いで」にする。
 書 → 書いて
 解 → 解いて
 脱 → 脱いで
 仰 → 仰いで

 語尾が「む」「ぶ」「ぬ」で終わるものは、「んで」にする。
 飲 → 飲んで
 頼 → 頼んで
 遊 → 遊んで
 滅 → 滅んで
 死 → 死んで

 語尾が「る」「つ」「う」で終わるものは、「って」にする。
 取 → 取って
 頑張 → 頑張って
 待 → 待って
 持 → 持って
 会 → 会って
 誘 → 誘って

 語尾が「す」で終わるものは、「して」にする。
 話 → 話して
 貸 → 貸して
 押 → 押して

 ※例外的なもの
 行 → 行って